E-1のAFピント精度チェック(詳細)

8月度の「ソフトボール」、9月度の「体育祭」でAFのピント精度が何か変だなぁと感じ、過去に撮影したものをチェックしてみたところ、望遠レンズのワイド端から中域で撮影した写真の中にピントを外しているものがかなりありました。しかし、中域からテレ端に関しては特に問題がないようです。

「これは絶対変だ」と確信したのは先日の「ドリームカー」での撮影です。望遠レンズで人物の全身を撮影すると間違いなくピントを外します。そしてウエストアップ、バストアップになるような撮影ほどピントが合います。

「AFが変だ」と騒いで修理に出す前に、まずは「ピント精度のチェック」を自分でしてみました。

★2004年10月10日 ピント調整のためメーカー送り。無事10月19日帰還。“大至急!”でお願いしたら本当に「11日受入れ14日仕上がり」でやっていただけました。さすがOLYMPUS!
さっそくピントチェックをリトライしてみました。→ピントチェックの第五弾

※PhotoShop Elements2.0でリサイズ。レタッチなし

ピントチェックの第一弾

「同一被写体を同一距離から焦点距離のみ変えて撮影」
被写体を前後に1cmずつずらして配置してあります。
実際のテストに使用したレンズは「ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5」です。


共通データ
2560×1920を400×300にリサイズ 2560×1920を1280×960にトリミング後、
400×300にリサイズ
2560×1920を400×300にトリミング(つまり等倍です)

焦点距離 50mm (F2.8)
なんとなく変な感じがします。ちなみに向かって左から「リザードン」「ケンタロス」「サンダース」「カイリュー」「メガニウム」です。 最短撮影距離(約1.2m)からの撮影ですが、あらら明らかに後ピン。メガニウムとリザードンにピントが来ているということで約3~4cm後ピンです。 等倍で見てみると…全然ダメじゃん。シクシク(ToT)

焦点距離 約100mm (F2.9)
多少マシになったような気がします。 ケンタロスの頭、カイリューの頭と腹部、サンダースの耳にピントが来ているということで約1cm後ピン。 これなら人物の場合は「鼻」にピントを合わせれば「目」に合うというレベルでしょうか。

焦点距離 200mm (F3.5)
実焦点距離200mmの絞りF3.5での被写界深度の浅さを証明するようなテストになりました。 サンダースの目の上部から耳の付け根の辺りにピントが来ています。 中央のAFエリアが広いことを考慮すれば、テレ端でのピント精度は100点満点だと思います。
テレ端でのピントがドンピシャになるのかどうかは、中央のAFエリアのど真ん中にコントラストの差が激しいものを配置して撮影する必要があります。今回の「サンダース」の“おでこ”ではチト無理があったかも。



ピントチェックの第二弾

第一弾テストと似たようなものですが、第二弾ではピントが合い易い(たぶん?)被写体に変更、テストレンズは「ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5」、「ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5 + EC-14」、「ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5」、そして比較対照として「C-8080WZ」を投入。今回も被写体を前後に1cmずつずらして配置してあります。


 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5
 焦点距離 14mm (F2.8)
AFエリアを「23巻」の背表紙中央の「イニシャル」に合わせています。 実焦点距離14mmでも約3~4cm後ピン。 このレンズのワイド端で絞り開放を使うことは殆どないが、これはチト辛い。

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5
 焦点距離 54mm (F3.5)
  実焦点距離54mmならば約1cm後ピン。これなら実用範囲か?

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5 + テレコンバータ EC-14
 焦点距離 19mm (F4.0)
サーキットで「望遠+テレコン」、屋内イベントで「標準+テレコン」、意外にも出番が多いテレコン「EC-14」を装着してみました。 不思議なことに後ピンが大幅に改善された。 もう少しでOKになるのに…

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5 + テレコンバータ EC-14
 焦点距離 76mm (F4.9)
サーキットのピットウォークや屋内イベントでの常用域70~140mm相当の画角が手に入る「標準レンズ+テレコン」であるが… これはビックリ「ドンピシャ」です。 これならポートレートで安心して使えます。

 ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5
 第一弾テストと全く同じ結果であった為、省略します。

 特別参加CAMEDIA C-8080 Wide Zoom
 焦点距離 7.1mm(約28mm相当の画角) 絞りF2.4
3264×2448→400×300にリサイズ 3264×2448→1632×1224にトリミング後、400×300にリサイズ
実焦点距離が7mmということで被写界深度の深さに助けられたのか?
3264×2448→400×300にトリミング
 焦点距離 35.6mm(約140mm相当の画角) 絞りF3.5
テレ端開放のピント精度は… 完璧です!  
3264×2448→1200×900にリサイズ後、1200×400にトリミング
レンズの性能が良いと評判の「CAMEDIA C-8080 Wide Zoom」ですが、AFのピント精度も完璧です。レンズ一体式ゆえに使用レンズに対するAFのチューニングが完全にできているということなのでしょうか。



ピントチェックの第三弾

ピント精度の件をネットで検索したところ“光”がAFに影響を与えるらしいことが書かれていた。室内の蛍光灯の下ではAFの精度が悪くなるということなのか?
それではさっそくということで、屋外で「ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5」を試してみた。


 焦点距離 54mm (F2.8) ※ワイド端のつもりで撮っていましたが、少しずれていました。
ALTEZZAの“ZZ”にAFエリアを持ってきています。    
左目にAFエリアを持ってきています。 実焦点距離が50mmで絞りF2.8なら前後のボケ具合はこんな感じ。  
左目の白丸にAFエリアを持ってきています。5枚撮って全て後ピン。 右目、左耳付け根の辺りにピントがきています。 残念…
(もちろんMFで合わせれば完璧に合います)



ピントチェックの第四弾

標準ズームり場合はテレコンを使うことでAFピント精度が高まることが実証されたが、望遠レンズの場合はどうだろうか。
ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + テレコンバータ EC-14


 焦点距離 70mm (F4.0)
中央の黄色のシールにAFエリアを持ってきています。 明らかにピントが合っていません。  
小さめな花はどうでしょうか。 これも合いません。  
ALTEZZAの“E”にAFエリアを持ってきています。    
右目にAFエリアを持ってきています。 毛で判断する限り、耳の後ろ辺りにピントが来ています。  
望遠レンズの場合はテレコンを使ってもAFピント精度が改善されることはないようです。



ピントチェックの第五弾

テスト方法は「ピントチェックの第二弾」と同じ。少々室内が暗かったためISO800で撮影。


 ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5
 焦点距離 50mm (F2.8)
AFエリアを「23巻」の背表紙中央の「イニシャル」に合わせています。 全体的にモヤッとしている。ほんのわずかに前ピンの可能性大。 この程度のピントズレならばアンシャープマスクを少し掛ければ大丈夫

 ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5
 焦点距離 100mm (F2.9)
  若干の後ピンか。これなら十分実用範囲。  

 ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5
 焦点距離 200mm (F3.5)
  完璧です。 E-1のデフォルトではシャープネスがかなり甘めの設定ですので、これは仕方がないでしょう。

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5
 焦点距離 14mm (F2.8)
  これも全体的にモヤッとしている。ほんのわずかに前ピンの可能性大。 アンシャープマスクを少し掛ければ大丈夫でしょう。

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5
 焦点距離 54mm (F3.5)
  これも完璧です。  
E-1ボディとレンズ2本をOLYMPUSの岡谷修理センターでピントの調整をしてくれたことで、劇的にAFの精度が向上しました。またユーザ側の都合で「大至急」で修理を依頼しましたが、それに応えてもらえて大感謝です。E-1のAFのピント精度に悩んでいるのなら、一刻も早く「調整」に出すことをお勧めします。



ピントチェックの第六弾

AFのピント精度の調整をしてもらったことで、もしかしたら左右のAFフレームも使える物になっているのか?
テスト方法は定点撮影でAFフレームのみ変更して撮影。
2560×1920を640×480へリサイズ後に640×320にトリミング。

 ZUIKO DIGITAL ED 14-54mm F2.8-3.5
 焦点距離 54mm (F3.5)
まずは中央のAFフレームを使用。
次に左のAFフレームを使用。
そして右のAFフレームを使用。
使い物にならないと思っていた左右のAFフレームが、今回の「調整」で十分に使える物になったようです。



ピント精度チェックを終え、改めてE-1君のファインダーをじっくり覗いてみたところ、フォーカシングスクリーンのキズや汚れが綺麗さっぱり無くなっていることに気がついた。たぶん新品交換してくれたのでしょう。
自分で方眼タイプのフォーカシングスクリーンに交換したときに隅っこの方をキズ付けてしまっていたので、気になっていたのですが無料交換してくれるなんて太っ腹。

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