ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 バートン・マルキール (著), 井手 正介 (翻訳)
投資関連本を100冊以上読みましたが、ついつい後回しにしてしまう書籍がまだまだ山積みです。買ってすぐに読む気になる書籍は「これなら2時間くらいで読み終えるかな」であり、読み始めてとりあえず10分間は苦痛に感じなかったものです。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を購入したのは2022年2月ですので、1年以上読むのを躊躇していました。
読むのに覚悟がいると感じた書籍はそうそうあるものではありませんが、「ウォール街のランダム・ウォーカー」は100%読み終えるのに覚悟が必要です。途中で他の書籍に浮気してはダメです。しかし、気分転換に気軽なムック本は必要です。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」はアップデートをしているようで、「第12版」は2016年辺りまでの話題も網羅しています。つまり、アップデートの度にページ数が増えていくということです。時代に合っていない事柄は注釈入りでバッサリカットされているので、念入りに再構成されているかもしれません。
個人投資家にとっては、個々の株式を売買したり、プロのファンド・マネジャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、遙かによい結果を生む。低成長、AIの時代に勝つ手法とは?「リスク・パリティー」など最新の戦略も解説。
目次
第1部 株式と価値
第1章 株式投資の二大流派
第2章 市場の狂気
第3章 1960年代から90年代にかけてのバブル
第4章 21世紀は巨大なバブルで始まった
第2部 プロの投資家の成績表
第5章 株価分析の二つの手法
第6章 テクニカル戦略は儲かるか
第7章 ファンダメンタル主義者のお手並み拝見
第3部 新しい投資テクノロジー
第8章 新しいジョギング・シューズ――現代ポートフォリオ理論
第9章 リスクをとってリターンを高める
第10章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦
第11章 「スマート・ベータ」と「リスク・パリティー」–新しいポートフォリオ構築方法
第4部 ウォール街の歩き方の手引
第12章 財産の健康管理のための10カ条
第13章 インフレと金融資産のリターン
第14章 投資家のライフサイクルと投資戦略
第15章 ウォール街に打ち勝つための三つのアプローチ
四部構成ですが、各部で書籍1冊分のボリュームです。投資関連本を大量に読んだ後だと、全てが読んだことがある解説だなと思えてしまいます。だったら、あれもこれもと大量に読むくらいならこの書籍だけでOKかとはなりません。たぶん、この書籍を最初に読んでも殆ど理解できないと思います。要するにこの難しい書籍を分かりやすく解説した書籍が大量に出回っているということです。分かりやすく解説する人の得意分野に合わせてこの書籍のどこを切り出しているのかとなります。
株式投資の本質を語る書籍で「どれか一冊だけ残すなら」という場合は、間違いなく「ウォール街のランダム・ウォーカー」になります。全てを網羅しているわけですから。
カテゴリ : 書籍など
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