投資額に対してどれくらいの利益を得ることができたのか。投資額が多ければ「利益額」が多いのは当然です。そこでよく使われるのが「利回り」です。
この「利回り」ですが、“売らない”&“積み立て”ならそれなりに正しそうな数値になりますが、ある程度確保した軍資金の範囲で、売買を繰り返すと、分母はどれにすれば良いのか分からなくなります。
「そんなもの証券口座に入金された全額でしょ」という簡単なものでもなく、最初は200万円、途中で400万円、やっぱり1200万円と適当に軍資金を増やした場合はどうなのか。
楽天証券の場合は楽天銀行と紐付けされているため、“現金”は両者を行ったり来たりします。そして、楽天カードの引き落としとか公共料金の支払いなども楽天銀行を使っているため、使える軍資金は頻繁に変わります。
ならば、「軍資金は1500万円です」とした場合、そのうちの500万円は「暴落に備えた予備費」だとして残りの1000万円で売買しているとした場合の分母は?
あくまでも1000万円は目安で、売り場なら600万円まで売り減らして、買い場なら1200万円まで買い増した場合の分母は?
ということで、売買を繰り返している場合の「利回り」などどうとでも数字のマジックができます。
例1.
月次のまとめを作っているため、月末時点の保有株の合計買値は分かります。
その月の税引き後収益も分かります。
「月末時点の保有株の合計買値」の1年間の平均値を分母にして、1年間の税引き後の収益を分子にしてみます。
2021年3月~2022年2月
収益:779,251円 買値:5,808,603円
→利回り 13.4%
2022年3月~2023年2月
収益:1,649,244円 買値:11,990,931円
→利回り 13.7%
「利回り」に疑問を思うようになった理由は、1年目の分母です。200万円から始めて最大で1100万円まで買っていますが、少ない金額だった期間が長ければ、結果的に平均値は下がります。ゆえに投資額を増やした終盤に爆益であれば「利回り」は高くなります。
そして「月末時点の保有株の合計買値」も数字のマジックに使えます。月末に売ってしまえば分母が小さくなるからです。
「月末時点の保有株の合計買値」を使うとして、もう少しまともな数字にならないものか。
例2.
だったら最大値を分母にしてみます。
2021年3月~2023年2月
収益:2,428,495円 買値:14,812,355円
→利回り 16.3%
瞬間的に1481万円まで買ったとはいえ、これも何か変ですね。
結局のところ何が正しいのか分からなくなってきました。
いやいやいくら使っていくら儲けたのかでしょ。という話でもありません。
楽天証券だけでも今までの購入額は 114,453,676円 です。少額投資のネオモバですら 21,227,944円 です。軍資金をマックス1500万円として、回転率は約900%です。このくらい回すと軍資金を増やさなくてもコツコツと稼ぐことができます。
「100万円分買いました。1年後にこれだけ増えていました」なら正確な「利回り」が分かりますが、売買を繰り返している場合の「利回り」って何なんでしょうね。
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