本物の長期投資でいこう!40年に一度の大チャンスがやってくる
(著)澤上篤人 , 渡部清二
●序章 さわかみファンドVS複眼経済塾
●第一章 真の長期投資とは何か?
●第二章 長期投資家・澤上篤人が誕生するまで
●第三章 40年に一回の大暴落がやってくる
●第四章 地方には腹の座った経営者がたくさんいる。株価が安い今がチャンス
●第五章 ガラガラポンのあとは、本格派の株式投資の時代が来る
●第六章 日本復活のためには経済のダイナミズムが必要だ
●第七章 文化は最高の長期投資
よくある「長期投資とは」という長期投資の根本を解説する書籍ではありません。長期投資の本質などについては、もっとメジャーな書籍があるので、そちらを先に読むことをお勧めします。
この「本物の長期投資でいこう!」は長期投資のプロの二人の対談集です。
序章「さわかみファンドVS複眼経済塾」のタイトルは煽りであって、対決しているわけではありません。お二人の投資方法の優劣をつけているわけではなく、あくまでも経歴紹介です。
忙しい人は、序章、第一章、第二章は読み飛ばしても問題ありません。
メインは第三章ですが、読んだ感想は「だから何?」でした。第七章まで読んでもお二人の投資ポリシーを語っているだけですので、私の株ゲームに何かしらのプラスになる材料は殆どありません。
ただし、インデックス投資の弱点はズバっと書かれているので、「インデックス投資こそ正義!!」と信用しきっている人は参考になります。
「ほとんどの銘柄の株価が上がることが前提になっている」と気が付いている人は、インデックス投資とか投資信託はやっていないはずです。
さらに「結局のところ『長期投資』とは何なんでしょうね」を客観的に俯瞰してみると「短い期間で儲けることができない人の言い訳」だと思えてきます。
澤上氏は「1年とか2年で儲けようという考えは投資ではなく資産運用だ」と断言されていますが、お金を増やすことが目的ですので間違いなく「資産運用」です。
この書籍で言うところの「本物の長期投資」の意味は「株の売買」ではなく「企業に投資しましょう」ということです。
しかし、ファンドの役目は顧客から預かったお金を使って株を買って運用益を得るわけですので、ちょっとした矛盾も感じます。
絶対減らしたくないお金は「さわかみファンド」に預けておいて、自由になる少額で勉強兼ねて個別銘柄を自分で売買すれば良い。「さわかみファンド」の20年平均運用利回りが6%から7%だそうです。
年利回り6%から7%なら自分でETFなどを買うより安全に増えていくかなと思えたので、「さわかみファンド」のページを見てみると…
あーやっぱり「長期投資」なんてこんなものだと分かります。しょせんはアベノミクスで株価が上がったのでプラスになっているだけです。(※運用手数料が1.1%発生します)
あくまでも「20年平均」で計算すると6.1%であって、昨年とか今年の利回りが6.1%ではありません。たらればですが、アベノミクスが無かったらどうだったのでしょうか。
さて、株式投資関連本には必ず「アクティブ運用はインデックスに勝てない」と書かれています。これには「同じアクティブファンドが長期間勝ち続けることができない」という補足があるのです。
つまり、数え切れないほどのアクティブファンドが存在しているわけですから、「昨年はA社が優秀だったけど、今年はB社が優秀だった。もしかしたら来年はC社が優秀かもしれない」となっているのかもしれません。
自分のお金を増やすための“なんちゃって”アクティブファンドマネージャーになって、インデックスに勝つことが株ゲームの真髄だと改めて思ったわけで、2年間の成績は圧倒的に勝っています。
カテゴリ : 書籍など
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