マニアックすぎる漫画「FX戦士くるみちゃん」の第四巻です。
第三巻のラストの火柱の描写が印象でしたが、そのまま火柱の解説から始まるかと期待したのですが、話が繋がっていないのかと勘違いするくらいに省略されています。もともとの主役である“くるみ”が金融緩和が云々と語りますが、具体的にどうこうというレベルにはなっていません。
さて第四巻ですが、物語の主役は第三巻に引き続き“芽吹”です。踏み込んではいけない領域に入ります。
“芽吹”を全力で心配する“やす子”、あくまでも他人事と扱う“くるみ”、そして悪魔のような“もちこ”。
第四巻の表紙を飾っている“もちこ”ですが、やっていることは昭和の暗黒ドラマそのものです。
“芽吹”は最初の軍資金を使い切った時点でFXから手を引いて、アルバイトなどで蓄えてから再チャレンジするのが一般人です。しかし、それだとドラマにならないので、いかに泥沼にハマっていくのかというシナリオです。
「やることの順番が違う」は「レ・ミゼラブル」のファンティーヌと同じです。
FXで一発大逆転を狙う“芽吹”は、カードキャッシングだけで足りず学生ローンに手を出し、ついにどうにもならない状態になります。金の工面の末に辿り着いたのが高利貸し“もちこ”です。
ここまでくると、昭和のドラマなら、まずは借金返済のために水商売に就かせます。その間も借金を膨らませます。完済などさせません。金利すら払えなくなり風俗行きです。そして薬漬けになり、最後は廃人です。そして金貸しは親のところに行きます。
「FXなんか絶対やるな!!」を伝えるための作品なのかもしれません。
ついでに「スクールオブトレード」の第一巻も買ってみました。
こちらはライトな青春ストーリーぽい展開ですが、漫画を通じて株式投資を学ぶことができます。いちおう部活動、投資大会という設定にするために近未来のお話です。
実は最初のエピソードからして何も知らない人には難易度が高いかもしれません。
主人公とその親友が同じ日に同じ銘柄に目をつけて、主人公は現物買い、親友は空売りです。後日、その銘柄に好材料が出て連日のS高になります。
“空売り”していた場合にどうなるのか。
そこから主人公が動いて、いっきに話が進むわけですが、あくまでも漫画の世界ですので、実際に高校生がそんなことをすれば、親友の親が激怒しながら損失を被って、「しばらくお小遣いなし!!」となるかと。
「信用倍率」とか「両建て」といった専門用語がさらっと出てくるので、超ライトな漫画とはいえ、それなりに株式投資を理解していないと「???」になります。
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