ニュートレーダー×リッチトレーダー 完全プラス期待システム (著)スティーヴ・バーンズ (訳)オブリーク山岸
金持ちトレーダーの教えをもとに、株式投資を始めた新米トレーダー。
しかし、値動きに一喜一憂してしまう自分を抑えきれない。
恐怖心や欲に突き動かされ、ついつい不用意に注文を入れてしまう。
あらかじめ計画した取引プランに一貫して従う強い精神力はどうやって培ったらよいのか。
また、そうすることで築くことができるプラス期待システムとはどういうことか。
成功するために不可欠な投資スタンスを金持ちトレーダーが根本から伝授する!
著者は長年、株式投資で成功を続けている米国在住のトレーダー。
第1弾『ニュートレーダー×リッチトレーダー 株式投資の極上心得』に続いての第2弾になります。
本書では、投資家を惑わせる主にメンタルの問題を取りあげ、セルフコントロールの秘訣やリスクマネージメントの根本原理を解説。
最終的にプラスを積み上げるシステムとはどういうことなのか、投資初心者なら知っておくべき必読書。
投資経験者にとっても自らの投資スタンスを見直すことができる必携書です。
「ニュートレーダー×リッチトレーダー 株式投資の極上心得」の続編です。
続編も一番最初に書かれていることが全てです。
株式投資は簡単には儲からない。
利益は勉学、規律、勇気、忍耐と
やりぬく意思を通じてのみ得られるのだ。
ありがちな「似たようなネタの焼き直し」とか「大人の都合で無理やり続編を書いた」という内容ではなりません。師匠の教えを守って株式投資をやってきた新人投資家が、さらなる飛躍をするための教えが書かれています。よって、「ニュートレーダー×リッチトレーダー 株式投資の極上心得」を読んでから続編を読むか、それとも新人投資家と同じレベルの株式投資をやっている人向けの書籍になります。
教えは17あります。
第一章「ゲームを維持するための精神管理術」
(1)
〇良い取引は完璧なる自信のもとに特定の取引手法に従って行われる。
×悪い取引はその場の思いつきで行われる。
まさにその通りで、場中に思い付きで予定外の事をすると高確率で失敗します。売買に関しては事前に決めたことを守ることが重要です。
(2)
〇良い取引はルールに従って適切な取引量で開始される。
×悪い取引は市場で失った資金を取り戻そうとして開始する。
少ない額で運用していて、2万円の損切りした後に「最低限2万円の利益を得よう」と決め打ちして買い向かうと、たいていは上手くいきません。
(3)
〇良い取引はパラメーターの数値が出そろったところで始まる。
×悪い取引は機会を逸する恐怖心から始まる。
既に急騰している銘柄を「今買わなくちゃ」と慌てて買うと「時すでに遅し」の可能性が高いです。流されずに買いのタイミングを待ちましょう。これは順張り派が陥る可能性が高そうです。
(4)
〇良い取引は取引プランの流れの中で、すべからく利益を生む。
×悪い取引はすぐに大金を手にしようという欲望のもと行われる。
「大きく儲けよう」が前提の取引はたいてい上手くいきません。
(1)から(4)までは経験してくれば必然的に分かってきます。
(5)
〇良い取引は取引プランに沿って行われる。
×悪い取引はエゴをかき立てるために行われる。
(6)
〇良い取引は後悔することなく、心の葛藤もなく行われる。
×悪い取引はトレーダーが二心ある時に行われる。
(5)と(6)をクリアできれば株式投資家初心者から中級者へ進化できるのですが、なかなかこの二つの壁は厚く高いです。つまり、私は突破できていないので、コメントできません。
ここまでが第一章です。
(7)から(12)が第二章「優れた投資手法を作るためのヒント」、(13)から(17)が第三章「ゲームに留まるためのリスクマネジメント」です。
書籍を読んで分かったつもりではなく、実際にそれができているのかという問いかけになります。部分的にはできていることもありますが、やはり(5)と(6)がクリアできていないと、中途半端になって大きな前進はできません。
この書籍の構成の素晴らしさは、(1)から(17)まで順番に「自分は実際にこれができているのか」と確認できる点です。つまり、投資関連本をたくさん読んで分かった気になっても無駄だということです。
「いつまでも自分は初心者だな」と実感している人には役に立つ書籍です。
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