とりあえず橋を渡り始めて、数歩で引き返す。二度目は慎重に慎重に渡り始めて十数歩で引き返す。三度目は隣の頑丈そうな橋を叩きながら渡り始めて途中で引き返す。四度目からは自分で橋を作る。だいたい、そんな感じで仕事も趣味も取り組んできました。現在の株ゲームも似たようなもので「まずは始めてみる」からの試行錯誤の連続です。
投資家それぞれに自分の考え方を持っているので、何が正解なのかは誰にも分かりませんが、いろんな人の意見を取り入れて自分の型を作っていけば確実性も高まります。よって、話題の書籍はなるべく読むようにしています。(※明らかに内容が重複している書籍は除く)
賢明なる個人投資家への道 (著)かぶ1000
お金に賢くなれば「億」まで増える!学校ではゼッタイ教えてくれないお金の教科書。資産1億円へのロードマップも解説!
目次
基礎編1 お金の本質を知る
基礎編2 お金は株式にするのが正解
応用編1 投資家として成長する
応用編2 株式投資の5つのステージ
番外編1 本質的な価値を見極める
番外編2 投資家としての五感を鍛える
数多くの個人投資家が株式投資に挑戦して大多数が脱落していった中、ごくわずかな成功者が少ない資金から始めて莫大な財産を築いたというのが真実です。
「株式投資ドリームを達成させる可能性はゼロではないけど、ゼロにならないためにはどうしたら良いのか」が巷に溢れている数多くの初心者向けの書籍です。
「賢明なる個人投資家への道」の著者は、あの伝説の投資家「ウォーレン・バフェット氏」のように子供のころから投資活動をしています。さらなる勉強のため高校卒業後は専門学校に通って首席で卒業するも、大手証券会社からの誘いを断って最初から専業投資家として活動しています。
つまり、「老後資金のため」とか「投資が流行っている」という理由で、株式投資の世界に踏み込んだ人たちとはスタートからして何もかもが違います。
バイトもしたことがない完全純粋なる株式投資家の書籍ですので、まずは読み手は自分とは立場が違うことを頭に入れてから読み始めましょう。
著者はバブル崩壊を含めて数々の暴落相場を乗り越えてきましたが、他の個人投資家たちと同じようにアベノミクス相場が最大の山場になっています。ただし、それまでの経験があったこそ大チャンスをつかむことができたのですから、経験がなければ大チャンスを大チャンスだと気が付かずに乗り遅れていたかもしれません。たまたまタイミングよくアベノミクス相場から株式投資を始めて儲けたとしても、経験不足の投資家だとコロナショックで大損害を被っていたかもしれません。
読み終えての印象としては読者ターゲットは下記の3パターンかと思います。
・これから株式投資をやってみようと思っている人
・適当にいろいろ試してみたけど上手くいかない人
・それなりにやってきたけど自分の型を作れていない人
自分の型を作ることができている人なら番外編1と番外編2は参考になりますが、他の章は少し疑問符が付きます。
他の個人投資家と同じような「節約して稼ぎを投資に回して現金を持つ必要はない」「お金の価値は下がるけど株は大丈夫」という点に疑問符が付きます。「月々の収入を貯蓄ではなく株式投資をに回す。株式投資でも増やしていく」という点が「短期間で儲けたい」という人たちに博打みたいな勝負をさせる可能性があります。
そして、読書層がいかにも「株式投資」の目的が「億り人になりたい」とか「FIREしたい」であることが多く、30年後どころか10年後のことも分からないのに「今までこうだったのでこれからもこうなる」を前提に株式投資こそ正義という言えるのは、成功者ゆえの意見です。(※株式投資本はどれも同じですが)
「お金の価値が下がるので株を買っておけ」という点も「株価が上がれば」という前提条件が付きます。貨幣価値が20%下がるなら株価が20%上がってくれないと、意味がありません。
複利の説明にも「?」が付きました。売らずに持ち続けてなぜ複利の効果があるのでしょうか。配当銘柄なら配当金を再投資すれば複利の効果はありますが、配当金がない成長銘柄を持ち続けてなぜ複利なのでしょうか。
現金の話に戻すと、現金が必要になった時に株を売るとして、その時が運悪く暴落相場だったり、含み損を抱えた銘柄ばかりだったりすると、大損です。
「FIRE」に関しては疑問に思っていましたが、定年までに「1億円」貯めているのなら、不安定な株式投資などしなくても悠々自適な生活ができます。自分が死んだときに「1億円分の株」を残していると相続人は困りますよ。
ということを踏まえて、「株で儲けよう」ではなく「資産の一部を株にしておこう」という守りの戦略で良いのなら、初心者向けの良書だと思います。
200万円の軍資金で始めた私の株ゲームですが、「株式投資で儲けて、さらに給与収入から月々の投資額を増やしていこう」というのはほぼ不可能だと思いました。なぜならば「損して良いお金などない」からです。初心者向けのムック本にも「損して良い金額」とか「許容できる損失の範囲」が触れられていますが、損などしたくありません。よって、「給与収入を投資へ」などリアルすぎて精神的に耐えられません。
では、老後資金をつぎ込むのはどうなのでしょう。それも私はムリです。老後資金はあくまでも老後資金です。減らすわけにはいきません。
よって、あくまでも株ゲームの範囲で「使う予定がないお金」を楽天銀行に入金して楽天証券で株の売買をしています。つまり、楽天銀行に入金した時点で、それは株ゲームのコインになります。実際、そう思わなければやってられないことが何度でも起きました。そして、売って現金化されても楽天銀行にあるだけですので、リアルなお金にはしていません。
若いころから本業で稼げるようにそれなりに取り組んで、給与も上がり、50歳くらいで子供も独立すれば、必然的に貯蓄も増えます。何度も同じネタになりますが、生活レベルは若いころの給与が少ない時から変えていないことが重要です。頑張って給与が増えたからちょっと贅沢しようでは、支出が雪だるま式に増えます。「給料が増えても余分な支出は増やさない」を守れば、子供に金が掛からなくなった以降は全て貯蓄に回せます。老後資金はこのくらいあればOKという分を確保できれば、そこからは「使う予定がないお金」となり、特に何も考えずに貯めていき、1000万円くらいになったら、株ゲームをやってみると良いです。1000万円あれば、勝負しなくてもコツコツと稼げるようになります。「勝負しない」を徹底できるなら200万円程度で勉強のつもりで売買してみるのもいいです。
カテゴリ : 書籍など
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