株ゲームを楽しみながら苦しみながら続け、投資関連本をあれもこれもと約100冊読みました。得た知識を自分なりに解釈して実際に株ゲームで試して、そして自分の型を作っていくわけですが、もう何周したのか分からないくらいどうどうめぐりしました。
自分なりに辿り着いた答えがあるのですが、年齢、立場(仕事環境含む)、資産、そして各自の考え方などで何が正解なのかは変わってきます。まさに“百人百様”です。
昨年、今年に出版された書籍とか、数年前に出版された書籍も大量に読みましたが、約16年前に出版された書籍に全ての真実が書かれていました。さらに伝説の投資家たちの考え方も網羅されているので、あれこれ読む時間がない人には最適な書籍です。
なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
■外資系投資銀行マンで人気ブロガーの著者による、異常に率直なマネー入門書■
本書は、外資系投資銀行マンで人気ブロガーの著者による、まったく新しいタイプのマネー入門書です。知性とユーモアをスパイスに、軽快かつシニカルな文章で人生とお金の関係を、超率直に、身もフタもなく解説していきます。読んだ方には、世界でたったひとつしかない、お金持ちになるための「正しい方法」を身につけていただくことが可能です。
投資マニアでもなんでもない普通のひとが、人生においてお金とどう付き合っていくべきなのか—-仕事、家、教育、借金、投資についてどう考えたらいいのか? そして、それらの背後にはどんな理屈があって、どんな戦略をとるべきなのか、といったことを、やさしく楽しく身もフタもなく解説します。著者の藤沢氏曰く「プロの言うことは当てにならない」。
ではどうすればいいのか? ノーベル経済学賞に基づいた、世界でたったひとつのお金持ちになるための「正しい方法」をプロ中のプロが伝授します。
目次
第1章 マネーの世界はワンダーランドだ
第2章 投資とはどういうゲームなのか?
第3章 株価とは何か?
第4章 投資は運か実力か?
第5章 現代ポートフォリオ理論のシュールな結論
第6章 それでも投資したい人のために
投資関連本を大量に読んだ後にこの書籍を読んだことで、完全におさらいになりましたが、漠然と「結局のところそうなんだろうな」と自分なりの答えに辿り着いていたことが、回りくどい表現などなくズバッとこの書籍に書かれていました。
既に投資関連本を読み漁っている人なら第1章から第3章は斜め読みで良いと思います。第4章からが株式投資に関する“不都合な真実”の話です。最後まで読んで反感を覚える人は正直言って株式投資などやめた方が良いです。
「個人投資家の7割が損をする!」
なぜ損するのか。「いやいや損しないでしょ」とチャレンジする人が大多数でしょう。しかし、損するのです。
書籍タイトルの「なぜ投資のプロはサルに負けるのか」ですが、近い将来、株価がどのように動くのかなど誰にも分からず、結局「上がった」「下がった」の二択しかないのなら、サルでもプロでも当たる確率は同じです。確率が同じならサルとプロの成績は同じになるはずですが、プロが負ける理由は「成績=利益」という考えが必要だからです。著者曰くサルに掛かるコストはバナナだけ、プロのコストはギャラですので数千万円とか数億円です。よって、当たる確率が同じならコスト面でサルの勝ちです。
ここで重要なのは、個人投資家にも当てはまることです。サラリーマンが趣味で株式投資をするだけなら、それに掛かるコストは極僅かです。運よく利益が出れば、株式投資で得た利益と本業で得た収入が合算されます。
ところが、個人投資家が「俺って天才。仕事なんかやめて株に専念する」とやって、株式投資だけでサラリーマン時代の年収を稼げるのでしょうか。
さて、サルに負けるプロの存在意義ですが、それはその人たちの仕事だからです。プロにもいろんな仕事がありますが、素人の金を預かって運用する人たちもいます。予想屋みたいな仕事のプロもいます。要するに株式投資という世界にもいろんな仕事があるわけで、それらには労務費というものが発生します。
書籍「敗者のゲーム」を読まなくても、この書籍を読めば分かります。最近の“ほったらかし投資”もこの書籍を読めば分かります。
著者の結論
結局、「販売手数料と信託報酬、その他のコストがなるべく安いインデックス・ファンドを買って、後は投資したことなど忘れて、自分の本業に打ち込んでお金をがんばって稼ぐのが一番」というのが、ここまでファイナンス理論を勉強してたどりついた結論です。
著者もゲーム感覚で個別銘柄を少額の売買で楽しむのなら良いと補足しています。
5000万円で利回り4%だとして税引き後は約160万円です。その約160万円のためにどれだけ苦労を強いられるのでしょうか。自己投資してもっと仕事で稼げるようになって、600万円とか800万円の収入を得るようになるのが先です。
若い人に流行りのFIREですが、若いうちに仕事をやめてしまうと、将来もえらえる公的な年金額は非常に少ないです。徴収される厚生年金の支払額を見ると愕然としますが、将来貰える額を考えれば「とりあえず健康で長生きしよう」と思えてきます。先ほどの「5000万円で利回り4%だとして税引き後は約160万円です」ですが、その程度の額なら私の場合は年金で支給されます。よって、無理に「5000万円で運用しよう」など考える必要はありません。あくまでも株ゲームの範疇で1200万円の軍資金で年間100万円くらいの利益になるように楽しめればいいのです。安全資産の定期預金、個人年金、財形預金、退職金(予定)もあります。
なぜ「個人投資家の7割が損をする!」なのかは、「儲けなければならない」という自己脅迫によるものです。無理に儲ける必要がなければ、儲かりそうなタイミングで値上がりしそうな銘柄を買って、値上がりするまで少し待って、欲張らずに売ればいいのです。「儲けなければならない」と自分を追い込むと必ず失敗します。
それから、他人にアドバイスを求める人も株式投資はやらない方が良いです。そもそも何かに投資をしようと思うならFP3級くらい取った方が良いです。他人にアドバイスするなら1級、せめて2級は必要です。
カテゴリ : 書籍など
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