長期投資のワナ ほったらかし投資では儲かりっこない (著)中野晴啓
「長期投資をすれば必ず儲かる」は大きな誤解。買って持っていればOKという甘言にだまされていると、ちっともお金が増えません。ならどういう投資をすれば資産を安全に増やせるのか。減らさないコツは何か。リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2015で最優秀ファンド賞を受賞したセゾン投信の中野社長が、金融業界のカラクリや、上手に増やす難しくない運用方法をここに公開!
第1章 長期投資の大誤解
第2章 インデックス投資の真実
第3章 金融業界のカラクリ
第4章 本当に儲けている人の投資法
著者の経歴が「セゾングループの金融子会社で資金運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用のほか海外契約資産等の運用アドバイスを手がける」ですので、ファンド運用側から見た「そもそも長期投資とは」という解説ですが、この書籍に書かれていることを声高に語ると敵を作る可能性は高いです。読んでも「あーそんなんだ」と誰にも言わずに自分の投資スタンスに組み込めば良いです。
数多くの投資関連本を既に読んだ人なら第2章と第3章は既知の事柄です。初心者向けの本しか読んだことが無い人ならサクッと事実を知ることができます。
長期投資に関して第1章で敵を作る可能性が高いことをズバズバと語ります。「そもそも長期投資って何?」という質問にどう答えるのかは人それぞれですが、「そんなもの長期投資とは言わん」と著者に怒られそうです。
「流行りの投資信託を買ってほったらかし」「買った銘柄の株価が下落しても長期だからと意味もなく放置」「買った銘柄の株価が上がり過ぎても含み益に喜んで放置」「そもそも買ったことを忘れる」などなど
放置(ほったらかし)することと長期投資は違う。
利息が殆どつかない財形預金などやめて、投資信託を毎月コツコツと買って、20年後、30年後が楽しみというのは「長期投資」ではありません。
たぶんですが著者が拘っている言葉遊びは「長期投資=長期投資家」なんだと思います。自分で考え判断して行動してこそ投資家であり、何も考えずに買って放置すれば良いというのは投資家ではない。
長期間運用していればいろんなことが起きます。その時々に何をすべきか自分で考える。それが投資家である。
「あなたは投資をしていますか?」と質問されて「投資信託を毎月買っています」と答えた場合、それは「投資」なのか。確かに微妙だと思います。
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