20代とか30代なら財形預金の代わりに何も考えずに全世界株投資信託を買っておけば良いです。
財形預金は基本的に天引きですので、定年まで何も考えずにコツコツと貯まっていきます。35年以上前の時代は定期預金の利息が5%程度はついていたので、何もしなくても2倍くらいになるだろうと本当にノーチェックで35年以上経過しましたが、改めて銀行からの案内はがきを見ると、利息は積み立て元本に対して5%しかついていません。1000万円が2000万円になるどころか1050万円です。バブル崩壊で経済が停滞した日本ですので、物価がそれほど上がっていないとはいえ、財形預金という制度は全くお得ではありません。
世界情勢がどうなるのか分からないとはいえ、今から20年後とか30年後がゴールなら、財形預金よりは全世界株投資信託という選択肢は最強です。あくまでも自分で何もしないならという大前提ですが…
定年まで残り僅かになってから投資を始めたというだけでなく、自分の親が亡くなって相続の手続きを自力でやった経験からして、自分が死んだ後のことも考えて投資に関わる必要があります。最後の税務署に提出する書類を作ってもらうために税理士に依頼しましたが、そこまでに必要な相続の手続き(不動産登記なども含めて)を全て私がやったのにも関わらず、税理士に支払った額は70万円超でした。それプラス相続税も支払ったわけですが、まあなんというか、被相続人が生前贈与をもうちょっと真剣にやってくれていたら、余分な出費や手間が無かったのにつくづく思います。
流行りのFIREですが、FIREの当人がポックリ逝くと残された家族はものすごく相続の手続きに苦労すると思います。いつ死ぬのか分からないので、投資関連をいつ手仕舞いすべきなのか決め手がないのが実情です。FIREの資産をそのままどこもいじらずに子供が相続できれば素晴らしいことですが、残念ながらそれは不可能です。仮に1憶円の株を被相続人が残したとすると、考えただけで眩暈がしそうです。相続人は「死ぬ前に全部現金にしておけ」とキレるはずです。
さて、「老後のためにコツコツ積み立てましょう」の年齢ではない人たちが考えるべきことは、投資の手仕舞いです。単純に「年金だけじゃ足りないから」が理由で投資を始めたとしても、実際に足りなくなった時にどのようにしたらいいのか…
むちゃくちゃ前置きが長くなりましたが「AERA Money 2022 夏号」です。
AERA Money 2022 夏号「NISAの出口〈売り方〉」 (AERA増刊)
大好評「AERA Money」の2022「夏」最新号! 3大特集は「NISAの出口〈60歳以降の売り方〉」「ETFの基本〈分配金で老後の生活費がラクになる〉」「はじめての株主優待」。巻頭インタビューには料理愛好家の平野レミさん、公認会計士(オタク会計士)の山田真哉さんが登場。特別対談に田端信太郎さん×テスタさん!
まずはゴールありきで、さてどうするのが良いのか。その辺りが特集記事となっています。意外にも“目から鱗”に近い教えは「投資信託 vs ETF」です。実は私も今年の2月で投資信託の買い増しはやめています。それ以降はコツコツと下落局面でETFを買っています。投資信託というものはあくまでも財形預金の代わりのもので、定期預金代わりにもなりません。1年後、2年後とか、必要になった時に必要な金額分だけすぐに換金したいという場合にETFが便利です。使う予定が無くて、そのまま持ち続けていれば分配金がもらえます。よって、「年金+α」にもなり、上昇局面で全て売却という自由度があります。
特集記事「ETFの基本〈分配金で老後の生活費がラクになる〉」には具体的なシミュレーションが掲載されています。それを見る限り、「この先の10年間」で良いのなら投資信託よりETFの方がメリットが高そうです。
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