初心者向けの書籍を卒業して本格的な書籍を読むようにしていますが、どれも難解です。今回は数多くある「大切な教え」本のオリジナル版に該当する書籍です。
投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識 (著)ハワード・マークス (翻訳)貫井佳子
難しい投資の世界で市場に40年以上にわたって勝ち続けてきた著者が語る哲学に満ちた本書は、投資の基本書として古典となりうる珠玉の名言に溢れています。市場の見方、リスクの捉え方など、根本的かつ重要な投資哲学が1冊に!
目次
1 二次的思考をめぐらす
2 市場の効率性(とその限界)を理解する
3 バリュー投資を行う
4 価格と価値の関係性に目を向ける
5 リスクを理解する
6 リスクを認識する
7 リスクをコントロールする
8 サイクルに注意を向ける
9 振り子を意識する
10 心理的要因の悪影響をかわす
11 逆張りをする
12 掘り出し物を見つける
13 我慢強くチャンスを待つ
14 無知を知る
15 今どこにいるのかを感じとる
16 運の影響力を認識する
17 ディフェンシブに投資する
18 落とし穴を避ける
19 付加価値を生み出す
20 すべての極意をまとめて実践する
全20項目ありますが、読んでみるとその順番にも意味があることが分かります。株ゲームで自分なりにいろんなことを考え試して、方向性やルールなど決めて、さらに乱高下する相場に立ち向かうと、その過程で「第1章に関すること」「第2章に関すること」「第3章に関すること」などのように順番に「あれはそういうことだったのか」と実感できるようになります。私は現在「第12章に関すること」に取り組んでいますが、5章、6章、7章に甘さが出て上手くいっていません。よって改めて5章からやり直しということです。
あとに行くほど難易度も高まり、読むのが疲れますが、分かりやすいネタを抜粋してみました。
2億2500万人の米国民がそれぞれ1ドルを賭けて毎朝1回、コイントスをする。コインの裏表を当てた者が外した者から1ドルずつ徴収する。これを20回繰り返すと、20回連続で当てた者が215残り、それぞれ約100万ドルを手にした。これらの者は『毎朝30秒働いて20日間で1ドルを100万ドルに増やす方法』といったタイトルの本を出版し、講演会のチケットを売るのだ。どこかで聞いたような話ではないだろうか。
初心者をターゲットにしたと思われる投資関連本にあるあるです。「元手100万円を株の売買で1憶円にしました」というやつです。要するに株価が低迷している民主党政権時代に株ゲームを始めて、ある程度のテクニックを身に着けて、アベノミクスの上昇相場、そのあとの乱高下期間で大儲けした人たちが書いている書籍です。勝負しなければ“億り人”になれる確率はゼロですので、数万人が勝負すれば、何人かは1億円以上稼いだのかもしれません。その辺を隠して、今の荒れ相場でも「あなたも“億り人”になれる」という煽りはどうなんでしょう。2021年の3月以降に始めた場合、手堅く現物取引でコツコツやっていると資産を10倍にすることすら不可能です。少しでも可能性がある方法で挑んで破産する人が続出しているのが現実だと思います。
我々アマチュアが興じるテニスは、ミスが少なかった者が勝つ「敗者のゲーム」である。どちらかがボールをネットに引っかけるか、コート外に打ち出してしまうまで、ラリーは続く。言い換えると、アマチュアのテニスではポイントを勝ち取るものではなく、失うものだ。この話を読んだとき、私はレイモーの損失回避戦略が、自分が投資で採用しようとしている戦略のテニス版だと気づいたのである。
大きく儲けようとすれば大きな損失を出す可能性もあります。よって、兼業投資家なら「損をしない」投資方法が重要だということです。年間の利回り10%で大成功、4%でも十分という謙虚さが必要かもしれません。初心者向けのよくある解説で「含み損の銘柄は早めに損切りして、含み益がある銘柄を残しましょう」というやつに私は懐疑的です。損切した時点で損が確定するのに含み益はいつまで経っても幻です。よって損切するならついでに十分に含み益が出ているものも利確すべきだと思います。実際のところ、含み益が50万円あったのに僅か1週間でマイナス10万円になる相場ですので、含み益という幻は怖いです。昨年の9月の時はとにかく売って売って売りまくりました。それは8月の下落相場で含み損を抱えていた銘柄が多数あって、それらを全て“やれやれ売り”したからです。ところが今年の3月は「ほとんどが配当銘柄だから」とあまり売らずに持ち越したことで悲惨な状態になっています。昨年の9月のことを思い出していればと今さらながら後悔しています。
この書籍に書かれていることが分かる分からないではなく、いかに実感できるのかが重要です。そのためには自分で実際に自分の金で株の売買をやってみて、いろんな経験をすることで、この書籍に書かれていることが少しずつ理解できるようになります。よって、何もせずに本を読んだだけで理解した気分になるのは時間の無駄です。
これからも株ゲームでいろんな体験をして、この書籍に書かれていることの本質を少しでも理解していきたいと思います。
カテゴリ : 書籍など
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