せめて25歳で知りたかった投資の授業 (著)三田紀房、ファイナンシャルアカデミー
「銀行に預けておきなさい」と親は言うけれど
お給料が入ったら銀行に預ける、貯金する。常識となっているこのお金の管理方法を疑ったことはありますか? 銀行に預けておけばお金が増える時代(そんな時代があったのです!)ではないいま、古い常識に囚われていては足をすくわれてしまいます。賃金が大きく増える見込みもない現代の若者が、生涯を全うできる財産を築くためには、「投資」に向き合うことが必要です。本書は、20代、30代の方々に向けた、投資の入門書です。投資漫画『インベスターZ』のエピソードを多数引用し、「お金の学校」で教鞭をとる筆者が最新の事例を交えて親しみやすく解説します。投資をするなんて考えたこともない方にこそ、読んでいただきたい1冊です。
第1章 投資が「怖い」のはなぜ?
第2章 投資はこんなに「単純」だ
第3章 一般投資家が知るべき「プロ」の考え方
第4章 お金だけじゃない! 投資があなたにもたらすもの
第5章 投資で「自由」を勝ち取ろう
薄い書籍ですので1時間ちょっとで読み終えることができます。扱っている話題は全部で22、解説文は学校の授業のような雰囲気ですので、投資初心者向けというよりは、書籍タイトル通りに若い人が対象です。難しいことを極力排除して、漫画「インベスターZ」で描かれているエピソードを例にして、広く浅く「そもそも投資とは」を根底から説明しています。
すでに投資関連本を読み漁っている人は読む必要はゼロですが、それほど勉強もせずに、「短期間に手っ取り早く儲けたい」「身近な友人や知人がやっていて自分も儲けたい」「特に深く考えずに漠然とFIREしたい」と思っている人が最初に読むべき書籍かもしれません。
そもそも「信用取引(売りも買いも)」とか「レバレッジ型上場投資信託」は投資ではなく投機であり、投機は大儲けするかもしれないけど大損するかもしれないという認識が必要です。ただ、投資でも株売買の説明によくある「損切は早く」には未だに疑問符を私はつけます。「なぜ株価が下がったのか」を分析せずに損切ばかりしていては、資産が減る一方です。「そもそも高値掴みだった」または「業績が悪化して回復の見込みが薄い」なら損切も仕方ありませんが、明確な理由もなく買値から-5%になったら損切というのは本当に投資なのでしょうか。機械的な売買は投機だと思います。「なぜその銘柄を買うのか」その説明ができない場合は買わないという決め事が大切です。私の場合、ざっくりと数多くの銘柄をピックアップしておいて、「あっ、安くなったポチ!!」で買った銘柄はだいたい失敗しています。
アベノミクスとかコロナショック直後のような誰でも儲かった上昇相場とは違うので、短期間で儲けようとせずにコツコツと定期預金替わりの投資で我慢するのが一番重要かと思います。
「せめて25歳で知りたかった投資の授業」の序盤に書かれているように、バブル景気が崩壊するまでは、銀行に預けておけば勝手にお金が増えました。今の銀行はタンス預金替わりの金庫みたいなものです。銀行に預けてもお金は増えません。今の時代は、資産が減らないようなコツコツ投資に割り切るしかありません。
カテゴリ : 書籍など
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