おじいさんは山へ金儲けに 時として、投資は希望を生む (著)村上龍
なぜ日本人はお金とのつきあい方が下手なのか? 「投資」の概念を正確に知ることは、もはや人生をサバイバルするうえで必要不可欠なスキルだ! カチカチ山、桃太郎、一寸法師……。誰でも知っている昔話をもとに、村上龍が書き下ろした斬新な寓話のストーリー、そして金融のプロが明かす投資の心得11箇条による、まったく新しい投資と人生の教科書。
下記の11本がパロディ童話の元ネタとそこで言いたい「投資の心得」です。
・かちかち山
時として、投資は希望を生む
・桃太郎
将来の価値と現在の価値を比べるという考え方が基本だ
・浦島太郎
投資したお金は、単なる「賭け」ではなくて、働いている
・一寸法師
投資について、自分で納得できないことはしなくてもいいし、してはいけない
・さるかに合戦
リスクは計量された不確実性であり、大まかでも見当をつけることが大切だ
・わらしべ長者
リスクなしにリターンは増えないが、ハイリスクがつねにハイリターンというほど世の中は甘くない
・花咲かじいさん
一人一人はお金について違っていることを認識せよ
・舌切りすずめ
資産運用でも人生を考えるうえでも、ポートフォリオという考え方は大切だ
・鶴の恩返し
“確実なマイナス”であるコストを軽視してはいけない
・かぐや姫
過去の行動にこだわらずに、将来のみを見て現在の行動を決める
・笠地蔵
お金は、あくまでも手段だけれども、とても大切なものだ
誰でも知っている日本昔話を「投資に例えるなら」という方向性で大きくアレンジしたショートストーリーですが、元ネタに近いものから大きく逸脱したものまであります。こじ付けにしては酷すぎるものもありますが、日本昔話を違う側面から見てみれば、そうかもしれないという奥深さを感じます。
全編通して本当に伝えたいことは「無知=不幸」だと感じられます。なぜ勉強が必要なのか、なぜ知識が必要なのか。
投資関連本という扱いですが、「無知な大人になると不幸な人生が待っているよ」を具体的に説明してくれる書籍ですので、小学5年生とか6年生辺りの子供が読むと一番役に立つかもしれません。
表紙に「企画・解説: 山崎元」と書かれているように、投資の話の具体的な解説は山崎氏が担当されているので、投資をこれからやってみようかという人向けの「投資を始めるに当たり」的な書籍としても役に立ちます。子供のために買ってお父さんが読むというのもありです。
カテゴリ : 書籍など
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