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波乱の展開になる前の書籍「株、株、株!もう買うしかない」

過去に遡って経済関連の書籍を読んでみる価値ですが、その時に何が起きていたのか知ることは重要として、「来年は」とか「数年以内に」という予想が当たったのか検証してみることが意外にも面白いです。


株、株、株!もう買うしかない (著)朝倉慶

金利安、通貨安、原油安のトリプルメリットを存分に使って日本国はインフレに向かって爆走を始めた。もう株を買うしかなくなった。日本国はインフレに向けて大きく舵を切った。国民の巨額の年金資金までも株式市場に投入される。世界中が緩和に走って金利が失われているなかで、黒田日銀総裁はためらいなくさらなる緩和を実行するだろう。原油安の追い風もあり、日本はバブル時代と同じ条件が整った。もう日本株は高騰するしかなくなった。このインフレへの大転換を知る人だけが生き残る。
目次
第1章 日本株はもう上がるしかなくなった
第2章 世界的緩和であふれかえったマネーは株に向かうしかない
第3章 日本株の黄金時代が再び到来する
第4章 日本経済に襲いかかるリスクとは何か?
第5章 中国から世界の地殻変動が始まった
第6章 とてつもない大相場がやってくる

朝倉氏の2016年の著書「世界経済のトレンドが変わった!襲いかかる負の連鎖」には2015年の夏から2016年春先までの大波乱の相場が解説されていますが、この「株、株、株!もう買うしかない」は2015年5月発売の書籍ですので、執筆は2015年2月辺りでしょうか。アベノミクスで株価が上昇して少し停滞している期間の解説ですので、大きな出来事がなかったことで読み物としてはインパクトは薄いです。


2021年になってから大量に出版された初心者向けの投資関連本に書かれている解説と同じですので、2015年時点で「そんなこと知っていて当たり前のこと」という知識だったようです。

あれこれ読んだ後だと得るものがないかなと途中までは思えましたが、「SQ」という制度の何が問題なのかという解説は勉強になります。世の中いろんな仕組みを考える人たちがいて、その仕組みの本質を理解している人たちだけが大儲けでき、そうではない人たちが損する。しかし、その仕組みの何が問題なのか分からず廃止に持ち込むこともできないため、流されるまま。

さて、今回の書籍で語っている“予想”は「日本もついにインフレになる」です。「インフレになるので株を買っておけ」がこの書籍の全てです。

しかしながら、2022年になっても日本はインフレになっていません。物価高になってもインフレになりません。ただ、国民全員が“我慢”を強いられるだけです。要するに少しずつ貧しくなっていっているのです。

物価高と収入増がセットになってこそインフレに振れますが、バブル崩壊後は人件費アップせずに企業は儲けてもひたすら貯めこむだけです。そして個人も貯蓄に励むだけです。政府が国民に金をばらまいても使わずに貯蓄に回すだけです。このひたすら貯めこむ国民性があったからこそ、コロナ禍を乗り越えられるともいえます。企業が内部留保していなかったとしたら、もっと大量に倒産していたはずです。

岸田政権は企業に「人件費アップ」を強要していますが、それは無理です。「日本の未来は明るい」と国民が思わない限り不可能なのです。「老後の資金は自分でなんとかしろ」と煽っておいて、「もっと金を使え」は矛盾していますね。明るい未来が待っているなら必要以上に貯めこむことはないかと思います。

カテゴリ : 書籍など



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ミニベロおやじの写楽です。フォトマスター検定1級。健康マスター。ダイエット検定1級。食生活アドバイザー3級。QC3級。FP3級。色彩検定3級。情報処理技術者試験1種。購入したデジカメは50台、自転車は11台。ブロンプトンで日本一周を達成、ブルベのSR達成。最近はデミオDで遊んでいます。雨の日は映画三昧。アウトドアも始めました。

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