投資関連本に関しては新鮮さが重要ですので、最新刊を買うようにしていますが、投資ブームゆえの乱発なのかハズレも多いです。「投資信託」に関しては今さら感なのか初心者向けのマネー誌とかムック本が主戦場になっているようです。そこで「投資信託」専門の書籍を買うことにしましたが、2018年5月発売の書籍です。
投資信託 失敗の教訓 (著)福田猛
「相場を予測する」「毎日の株価の動きを気にする」「新商品や人気商品を勧められて買ってしまう」……
投資信託で成功するためには、これらの行動はNGです!
こうした「失敗事例の教訓」から導き出される「成功の秘訣」をIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活躍する著者が54点の図を使って実務家目線でわかりやすくお伝えします。
序章 投資信託、「成功の秘訣」は簡単!
第1章 なぜ投資信託で損をするのか!一括投資の罠
第2章 日米の資産運用を比較すると……
第3章 ゴールベースアプローチを知る・アドバイザーの存在を知る
第4章 一括投資のポイントは、良い戦略の投資信託を組み合わせること
第5章 下がってよし!上がってよし!!の、積立投資
第6章 非合理的な行動を取るのが人間!長期投資の実現!!
第7章 自分に合った投資計画を立てよう!
読みやすい文章ですので、あっという間に最後まで読むことができますが、まだ投資を始めていない人には理解できない(理解したくない)とか、投資を始めたばかりの人には納得いかないことが多いかもしれません。自分なりにあれこれ試してきた人には大いに納得させられることばかりのはずです。
書籍タイトルは「投資信託 失敗の教訓」ですが、「投資信託」限定の情報ではありません。投資全般の話で、個別株に置き換えて読んでも筋が通ります。
「投資信託」限定だとムック本に書かれている内容で終わってしまい、「投資信託」紹介の書籍になってしまいます。そこで幅広い話題に触れているのですが、大量に投資関連本を読んだあとだと「読んだことがある」話題が多いです。それだけ当たり前のことなのかもしれません。
評論家の解説書やネットの情報では本当に知りたいことはわからない
行動経済学
相場を予測しない資産運用が成功する
買った途端に下がる「テーマ型投資信託」の不思議
などなど私には「読んだことがあるなぁ」ですが、「とりあえずあれこれ読みたくない」という人なら、この書籍を読めばだいたいのことは網羅されます。
「日米欧の個人金融資産」の解説はビジネス雑誌に取り上げられる内容です。雑誌では断片的な情報になり、勘違いする人もいるかもしれませんが、書籍ならもう一押しあります。この割り振りの何が問題なのか。
預金大好きな日本人の資産は、自分で貯えた分そのもので、勝手には増えません。銀行にたくさん預けても利息が殆どつかないので当然です。米国では「株」のように勝手に資産が増えるものに資産を割り当てます。
初心者向けの書籍にも書かれていることが多い「分散投資」に関して、日本在住では意味がないことが解説されています。ここは“目から鱗”です。
「投資信託 失敗の教訓」の「失敗」って何なのか。逆に「成功」は何なのか。ここは個別株でも同じです。丸投げの投資信託ではなく、自分で売買のタイミングを考えているのなら“順張り”“逆張り”の概念は必要です。
難しいこと、面倒なことを考えたくない人は、投資信託会社に丸投げして、月々定期的に積み立てしていき、最低でも10年、できれば60歳とか70歳まで放置しておけば良いです。
ということで、「自分で考える or 丸投げ」のどちらに向いているのか判断基準は、この書籍を読んで「うーん、よくわからん」なら“丸投げ”確定です。
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