金利の動きがわかれば景気の良しあしが分かる!国際政治を読むには債券が必須!世界でいちばんやさしい債券の本
第1章 債券ってなに?
第2章 債券にはどんな種類がある?
第3章 債券のゆりかごから墓場まで
第4章 この程度は知っておきたい債券の投資尺度(初級)
第5章 そもそも金利はなぜ変動するの?
第6章 もう一歩進んだ債券の投資尺度を考える(中級)
第7章 この程度はマスターしておきたい金利のデータ
第8章 先物、オプション取引と言ってもそれほど難しくないよ!
金利と債権の関係ですが、債権から見た金利(利回り)の話なら難しいことはないのですが、書籍のタイトル「なぜ金利が上がると債券は下がるのか?」は最後まで読んでもさっぱり分かりませんでした。「債権って何?」に関してはとても詳しい解説です。
「そもそも債券って何?」という話ですが、ざっくりと国の借金の借用書みたいなものです。国だけでなく都道府県や企業も発行することができます。担保がない借金ですが、国債なら元本は保証されています。その代わりに金利は非常に低いです。国債は売買できるため、購入した時の価格より高く売ったり安く売ったりできます。
国債はあくまでも国の借金です。10年債なら10年後に返済する必要があるのです。よって、ゼロリセットしたとして毎年100兆円分の債権を発行していき、その間に1円も貯えをしなければ、11年目には200兆円分の債権を発行することになり、雪だるま式に借金が増えていきます。この国債を日銀や国内の銀行、企業に押し付けるだけならまだ良いのですが、海外で引き取ってもらうと危険です。アメリカの国債を中国が20%ほど持っているらしいのですが、中国がブチ切れてアメリカの国債を叩き売りすると世界中で大暴落します。
さて、銀行の金利が低い状態が一向に改善しない日本の話です。
超金融緩和策で金利が低水準になっていても何かを切っ掛けに金利は上がるはず。しかし、「企業資金不足→借り入れが必要→金利アップ」は過去の話で今は「企業の資金余剰→借りる必要がない」になっているため、借りる人がいなければ金利は上がらない。
「物価が上がる→金利が上がる」は過去の話で今は「物価が上がる→物を買わない」ため、金利は上がらない。
「株価が上がる→金利(再建利回り)が上がる」は過去の話で今は金余りで株も債権も買われるため「株価が上がる→金利が下がる(債権価格が上昇)」となっている。
要するに、バブル崩壊後の長期にわたるデフレによって「デフレ状態が当たり前」という経済になり、企業も個人も金をため込んでいるのです。そして貯めこむだけでなく、金を銀行に預けても無駄ですので、投資に回しているのが現状ということです。
とりあえず「そもそも債券って何?」と気になる人は読んでみることをお勧めします。
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