元証券マン、経済評論家、大儲けした個人投資家などなど投資関連本が大量に出版される日々ですが、当たりを引く確率は結構低いです。「とりあえず参考になった」レベルの小当たりを含めても5割あるのかどうか。
個人的にあまり役に立たない書籍は“大儲けした個人投資家”の経験談と主観で書かれた投資法です。あくまでもそれはその人にとっても正攻法であり、万人向けではありません。さらにアベノミクス効果で儲けただけという可能性があるため、今の相場では全く役に立ちません。
元証券マンの解説は参考になりますが、そこには大儲けするようなノウハウはありません。あくまでも「投資とは」に限られます。
アメリカの超有名な投資家の手法を解説している書籍も数多くありますが、その手のものは1冊読めば十分です。素人には真似できません。
自分でいろいろ試して自分にとっての正攻法を作り出せということになりますが、「いろいろ試す」ためのヒント集めと割り切れば、数多くの書籍を読む価値は大いにあります。
荒れ相場で頻繁に出てくるキーワードがあります。それは「機関投資家」です。
元機関投資家が書いた本なら今までとは違うヒントがあるかもしれないと気になったためポチしました。
機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法 (著)泉田良輔
世界で実績を残してきた投資家は、将来の動向よりも、企業の実績を重視している。機関投資家が行う一見難しそうな投資アプローチを個人で簡単にできるノウハウに落とし込んだのが本書。機関投資家の投資判断がわかるとともに、10倍株銘柄の選別法、売り時・買い時の見極め方も5つのポイントでわかる画期的な1冊。
第1章 「予想しないとダメ」という思い込みを捨てよう
第2章 歴史を学べば誰でも優良企業に出会える
第3章 「3年で2倍になる株」を探す外国人投資家は何を見ているのか
第4章 10倍株の発生メカニズム
第5章 「株主資本複利」と「スペシャルシチュエーション」へ
第6章 個人投資家でもできる「予想がいらない投資法」
第7章 バフェットの脱・上場株投資思想のワケ
今まで投資関連本を何冊も読んできましたが、それらと比べてこの書籍はパッと見は優しそうな内容ですが、読み始めると頭が痛くなります。難易度は高いです。
序盤にあっさりと書かれていることが読み終えるころには非常に重要なことなんだと気が付きます。
・赤字にならない企業が大きく下落したときにコツコツ拾っていくと、長い目で見てリターンは大きくなっている
・平時には株主資本を積み上げている企業のリストを準備しておくことで、いざというときに割安の価格で手に入れることは可能
「赤字にならない企業」&「株主資本を積み上げている企業」
↓
「リストを準備しておく」&「下落したときにコツコツ拾っていく」
この書籍に関してはいっきに通しで読まないと訳が分からなくなります。実は序盤は3回ほど読み直しています。三分の一まで読んで中断。再開すると分からなくなって最初から読み直すが中断。再び再開すると分からなくなって最初から読み直して最後まで一気読み。
アベノミクス効果で株価が上昇しましたが、まだまだ安値であることには変わりません。なぜ日本株が上昇しないのか。単純にバブル崩壊後から現在までGDPが低いままだから。つまり日本の成長は止まっている。株価というものは企業の成長を表すもの。よって、アメリカとの差が広がるのは当然。
仕手株ではなく、真の10倍株の発生メカニズムの解説ですが、“新しいもの好き”が投資に興味を持てば10倍株を当てる確率が高そうです。
そもそも「グロース株投資」「バリュー株投資」とは何なのか。銘柄ではなく数字の解説です。バリュー銘柄だと思い込んでいて、実は「バリュー株投資」向きの銘柄ではないということもあります。
難しい知識はいいから結局どうすればいいの?という人が多そうですが、ようやく実践編に突入です。
実践しようとすると、休日を全て使って、さらに平日も結構な時間を費やす必要があるので、会社勤め人には厳しそうです。細かいところまでやるのは定年になってからのボケ防止の趣味になりそうです。
先日、四季報を見て候補に挙げた26銘柄の中から4銘柄ポチ済みで、残り22銘柄をポチするタイミング待ちでしたが、改めて今回得たヒントから再チェックしてみると9銘柄残りました。買ってしまった4銘柄の中に外すべき銘柄があったので、それはどこかで売却した方がいいかもしれません。
ということで、買うべき銘柄を探す方法の王道が書かれている書籍であることは間違いありません。
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