投資とか経済の書籍を連続で読むと頭が疲れます。息抜きでマンガを間に入れたいのですが、投資関連のマンガはそれほど多くありません。投資ブームとは言え、まだまだ日本では“投資”が一般的ではないため、投資を題材にした作品をリリースしても販売部数を期待できないかもしれません。昔の投資関連のドラマのようにダークの世界だと思われている可能性が高いなら、今風にもっとカジュアルなドラマを作れば、もう少し雰囲気が変わるかもしれませんね。
株ぢから 儲けるだけが株じゃない (著)佐久間智代
損もいっぱいするけれど、株ってなんか楽しいよ? そんな佐久間先生の株を楽しむ秘訣がぎゅぎゅっとつまった投資エッセイがいよいよ登場。これを読めばアナタもきっと株をやってみたくなる!
「作者の体験記をほぼリアルにマンガにしました」という作品です。登場する作者の描写は何故か“アライグマ”ですが、表情豊かで面白いです。後書きにありますが、投資の専門家の監修無しという珍しい作品ですので、“株の勉強”ではなく、あくまでも読み物です。
まず、作者は「さあ株をやるぞ!」と始めたわけではなく、株には懐疑的な印象を持っていたため、証券会社の窓口で紹介された「トヨタの転換社債」を買ったわけです。利息が殆どつかない銀行に預けるよりマシという発想です。ところがリーマンショックで日本のありとあらゆる企業の業績が悪化して、「転換社債」が「株」になってしまいました。その辺りの仕組みは作中で描かれています。
それが切っ掛けで株を買うことにした作者は「株はあくまでも趣味」と割り切って、株を売って儲けようではなく、自分が普段利用している外食店舗で使える優待券目当てで株を買っていきます。ところが優待券だけが目的だったのに、リーマンショック後の混乱期にはいろいろあって、そこがこの作品を書く切っ掛けになったのです。
自分にとっては良い銘柄でも他人にとってどうなのかは分かりません。最近私も「日経平均なんて騙しだ!!」とキレることが度々ありますが、10年以上前も同様だったようです。なんというか「日経平均と相性悪い銘柄」を何故か買ってしまうのです。
などなど、なんとなく株を始めた人には“あるある”ネタの宝庫です。実際に作者が株主総会に出席してリアルな感想を描いているため、そこも参考になります。トヨタ自動車の株主総会を豊田市でやってくれるなら出席したいです。
カテゴリ : 書籍など
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