書籍「株バブル勃発、円は大暴落」の発売が2013年2月、「株は再び急騰、国債は暴落へ」の発売が2014年7月です。毎年の恒例行事のように発売されていたようですが、その時期に何があったのかという解説本として読んでも参考になります。
株は再び急騰、国債は暴落へ (著)朝倉慶
株高の勢いは収まったかに見えるが、さらなる株の暴騰はこれから。第二弾の株高に乗り遅れるな!政府はさらに物価を上昇させるため、金融緩和を続けるが、それ以外にも「法人税の引き下げ」「GPIFによる株式購入枠の大幅拡大」「NISAの枠の拡大」「国家戦略特区の選定」などで大胆な政策を行うだろう。したがって、これからさらにインフレになり、株価も再び急騰することは間違いない!だが、これで景気回復で万々歳と思ったら、大間違い!借金1000兆円もある日本では、いったんインフレになったら、止める方法がないからである。止まらないインフレの後に訪れるのは、国債の大暴落。そんな大混乱の時代を乗り切るには、今から準備をしておかないと、とんでもない目に遭うだろう。暴騰する株、止まらないインフレ、国債大暴落、という大波乱をうまく利用して資産を増やす方法が書かれた、日本人必読の書。
第1章 さらなる株高が始まる!
第2章 景気回復は国債暴落の引き金を引く
第3章 中国やインドはどうなるのか
第4章 ウクライナ危機にみるロシアの暗闘
第5章 金融という恐るべき兵器
第6章 飛躍する米国、低迷する欧州
第7章 インフレをうまく活用して資産を増やせ!
アベノミクス効果で急騰した後の一休み期間中に執筆しているので「株は再び急騰」というタイトルになっています。
結果的には「国債は暴落へ」という予想は外れたことになりますが、国債が暴落する条件は「株が急騰」ではなく、「インフレ→金利上昇」ですので、インフレにならず、金利も上昇せずということで、国債は暴落していません。
朝倉氏の著書などを読むと分かりますが、国の借金は1000兆円あります。国は国債を発行してそれを買ってもらって金をばらまいているわけです。国債にも金利がつきます。ゼロ金利で買う人などいません。
金利が高くなるということは借金が何もしなくても増えてしまうのです。よって、金利を上昇させることはできません。インフレにしたくてもできません。つまり、いつまで経ってもデフレです。
ということで「国債は暴落へ」は単なる釣りタイトルですが、そこは過去の書籍を読むなら重要ではありません。
この書籍で参考になる解説は「第3章 中国やインドはどうなるのか」と「第4章 ウクライナ危機にみるロシアの暗闘」です。中国問題は「株バブル勃発、円は大暴落」で取り上げているので、復習的な意味合いになっていますが、アジア圏とインドに関しては既定路線のごとく現実に進行中です。
先日「ロシアがウクライナに侵攻」というニュースが世界を騒がしました。今回はどのような決着になるのか誰にも分かりませんが、今の“戦争”は物理的なものではなく、経済とか金融の戦争になるらしいです。現在のロシア問題がどのような決着を迎えるのか。その辺りの予習になるかもしれません。
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