2021年になってから株を始めた人には「少ない元手で株を始めて1憶円以上稼ぎました」という類の書籍など全く役に立ちません。リーマンショックで株価が暴落して、民主党政権時代の低迷期に安い株を買い漁り、アベノミクスで急騰して大儲け。ここまでなら表舞台に出るほどの爆益ではないかもしれませんが、コロナショックでどのように立ち振る舞ったのかで、結果が大きく変わります。つまり、大暴落があったからこそ儲けた人もいたわけです。つまり、既に高まっている状況で始めた人には参考にならないのです。
ということで経済の専門家の書籍を読むようにしていますが「株高・資源高に向かう世界経済入門」の朝倉慶氏の予想が当たるのかどうかを確かめるために、2018年2月発売の書籍を買ってみました。もちろん2018年時点で「コロナショック」の予言などできるわけありませんが…
株の暴騰が始まった! (著)朝倉慶
株の上昇は、これからが本番。量的緩和の最終的な着地点は、金利の上昇と止まらない株高だ!ビットコイン、北朝鮮や中国、米国の問題など世界情勢も徹底分析。
第1章 ビットコイン相場の正体
第2章 賃金はなぜ上がらないのか
第3章 株高に乗り遅れるな!
第4章 米国経済はどうなるのか
第5章 北朝鮮、サウジ、イスラエルから目が離せない!
第6章 先がみえない中国のゆくえ
第7章 為替と金相場はどうなるか
特別付録 朝倉慶のピックアップ銘柄7
ページ数の都合なのか過去の話、日米の状況だけでなく、幅広く取り扱っています。今さらながらですが「ビットコイン」の説明は参考になりました。今後は仮想通貨の覇権争いに注目でしょうか。
さて、一番参考になったというか「目から鱗」だった解説が「なぜ日本株はある程度の上昇で頭打ちするのか」です。
米株は「〇〇ショック」があっても、それを乗り越えてぐんぐん上昇しています。ところが日本株は30年経っても株価が変わりません。
その理由は「バブル期」に株を大量に買った銀行、生損保、個人投資家が、少しでも株価が買値に戻ると“やれやれ売り”をするからです。売られた株を買い集めているのは海外投資家ですので、日本国内の動きより欧米の動きで日本株の株価が上がったり下がったりします。
それでもアベノミクスで上昇基調になっていた要因は、“やれやれ売り”で下がるのを防ぐために日銀が大量に買っていたためです。ところがあまりにも買いすぎて、このままいくと、数多くの企業の大株主が日銀になってしまうため、2021年に入って買うのを控えています。よって、日経平均3万円の攻防が延々と続いているのです。
2018年2月発売の書籍で「まだまだ株価は上昇していく」と予告している通りに、「コロナショック」というイレギュラー事態を乗り越え、2021年2月に入って日経平均が30年6カ月ぶりに3万円を突破しました。単純に朝倉氏を信じて買っていた人は、資産が1.5倍くらいにはなっていたかもしれませんね。
カテゴリ : 書籍など
タグ :