投資関連本を読み漁る日々ですが、何かしら参考になったと思える割合は半分くらいでしょうか。参考になるレベルではなく「肝に銘じる」レベルになると、さらに半分。10冊読めば2冊か3冊が投資を真剣にやるなら必読に値する書籍といえるかもしれません。(※私の場合は)
あまり調べずにキャッチな書籍タイトルでポチポチするので、当たりをひく確率が悪いだけなのかもしれませんが、今回も書籍タイトルだけでポチしました。
あなたが投資で儲からない理由 (日経プレミアシリーズ) (著)大江英樹
「儲からない」にはちゃんと理由がある。
マーケットが好調な時には、身の回りのいたる所に投資に関する情報があふれます。「投資は誰でもできる」「市場が好調なら誰でも儲かる」そんな言葉につられて投資を始めたものの、「期待ほどの結果を得られていない」「思わぬ損をしてしまった」という声は少なくありません。
なぜ、儲からないのか? それは投資の原理原則を理解していないから。情報に踊らされ「自分の頭で考える」投資ができていないからではないでしょうか。
ネットを使えば最近のトレンドからおすすめの銘柄まで様々な情報を得ることができる時代ですが、投資の考え方の基本については誰も教えてくれません。
本書では、証券会社で何万人もの個人投資家をみてきた著者が、その長年の経験から、投資家が陥りがちな落とし穴、そして、成功する投資家が大切にしている考え方の基本について紹介します。
【目次】
第1章 儲からないのには理由がある
第2章 投資の“常識”に潜む罠
第3章 株で儲かる人・儲からない人の境界線
第4章 投資信託は罠だらけ
第5章 債券、外貨、保険……ここにもある勘違い
第6章 後悔しないための5つの原則
冒頭から忖度なしでバッサ、バッサと切っていきます。読みながら心がグサッ、グサッと刺される感覚になる人が多いかもしれません。
まず、初心者が読んでも書かれていることは全く理解できないと思います。初心者向けの書籍を何冊か読んできて、実際に投資をやってみて、たまたま上手くいった人、本人はしっかりやっているつもりでも何故か上手くいかない人が読むに値する書籍です。
金を貰って教える立場だと何らかの遠慮が入るかもしれませんが、著者はそのような立場ではないため、初心者向けの緩い考え方を真っ二つに切り捨てます。
「投資に向いていない人でも投資させたい」という商売ではないため、「ダメな人(向いていない人)はやるな」という立ち位置です。
投資が流行っているけどどうしようかなと考えている人には、まずは二つの設問に答えてみると良いかもしれませんね。
設問1.
どれかに当てはまりますか（どれかに当てはまる場合は株式投資に向いていません)
①人の言うことを信じやすい
②何かあった時に人の意見を聞きたがる
③みんなと一緒だと安心
④テレビのワイドナショーやSNSの情報を熱心に見る
⑤占いが好きなタイプである
①に関しては、とりあえずその場の雰囲気で聞く必要がある場合は「へぇそうなんだ」と聞き流します。講演会などでも自分と何かしら価値観が合う人の話なら真剣に聞きますが、あくまでも情報の範疇です。
②に関しては全くありません。人に聞くようなことなら最初からやらない。自分で全て決めます。
③に関してもどうでも良いと思っています。
④に関しては「またアホなこと言ってるな」とどちらかと言えば冷ややかに見ています。ただ「面白いこといってるな」と見ることありますが、それはあくまでも娯楽として。
⑤に関しては一種のイベントとしてであって、信じません。
設問2.
株式投資で失敗した場合、どう考えるのか。
①今回は失敗だ。次はここに気を付けよう。
②損したけど、仕方ない。また働いて稼げばいい。
③大損だ!これ以上損したくないからもう投資はやめよう。
私は間違いなく①です。株式投資だけでなく人生において全てがそうです。成功しても失敗しても「なぜそうなったのか」を考えます。要するにPDCAを回す性格です。
②の発想が理解できません。損したら他で稼いでからまた損することをするのでしょうか。私なら①で「なぜそうなったのか」を考えて、「これは厳しい闘いだから私には無理」と判断して撤退します。
③も大損する前に段階があるはずです。何事も小さく始め、PDCAを回しながら大きくしていくべきです。
「初心者向けの書籍にはこんなことが書かれているけど本当はこうなんだ」のオンパレードですので、「初心者は卒業した」と自負している人にお勧めです。
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