難しい文章を読むのが苦手とか、理解できないという人向けなのか、漫画世代が増えたことが要因なのか「マンガで解説 よくわかる〇〇」なるものが随分と増えたようなきがします。増えたというよりは、最初に文章がぎっしり書かれた書籍を出して、そこそこ売れたら裾野を広げるために漫画版を出すのかもしれません。
ただ、私が買ってきたものに関しては、後出しの漫画版が当たりであったことは殆どなかったです。あれこれ本を読むようになったので、漫画版でなくても文章から具体的なイメージができるようになったのかもしれません。
さて、面白そうなWeb漫画がTwitterのTLに流れてきて、少し読んでみたところ「とりあえず全話読みたい」と思えたためポチしました。「マンガで解説 よくわかる〇〇」の類ではなくストーリーがある漫画です。
FX戦士くるみちゃん
ゆるふわJDたちの、ちょっとキケン(!?)なお金稼ぎのおはなしですっ!
チャートが1mmうごくたび、涙があふれてとまらない――!! 楽してお金儲けをしたいすべての人へ送る、心臓ゆさぶる女子大生・FX・コミックス!
原作者である“でむにゃん”氏が実際に体験したことが元ネタになっているので、いかにFX地獄が怖いものなのか分かります。主人公“くるみちゃん”は中学生のころに母親がFXで大損害を被り、ノイローゼになった母親が自殺してしまいます。「母親の仇をとってやる!!」という強い決意の元、20歳になった“くるみちゃん”はアルバイトでためた軍資金でFXに挑みますが、そこは暗黒の世界。
ざっくりとそんな感じです。
FXの仕組みを知らないと、「100万円使っても1円上がった下がったで損益は1万円だけだよね」と何故大損するんだろうと不思議に思えていましたが、この漫画を読めば本当の怖さが分かります。これまたざっくりで世界規模の「丁半賭博」です。
日本の業者を使った取引だとレバレッジは25倍ですので、仮に100円/ドルの時に100万円使って1円動くと損益は25万円です。海外のレバレッジ50倍の業者を使うと50万円。それを0.1円とか0.2円の動きで売買するわけです。2円も動いたら100万円失います。売買そのもので借金を作らせないため(借金を回収する手間を省くため)、損失が大きくなって元手がゼロになる瞬間に強制的に決済されます。よって損失をほかっておくと全てを失います。
ここで諦めたら「貯金がゼロになった」のレベルですが、強制決済を防ぐために何かしらの手段を使って軍資金を用意して、なんとかプラスになれば「やれやれ」ですが、さらにマイナスになると「地獄の入り口」に立つことになります。“何かしらの手段”が大抵は借金だからです。この辺も丁寧に描かれているため、越えてはいけない一線が何なのか良く分かります。
さらに親切な点は、「誰かに意見を求めてはダメだ」も描かれています。迷った時に身近な人に「これってどうなの」と聞き、相手は適当に「良いんじゃないの」と答え、「やっぱりそうだよね」と背中を押された気分になって「イザ勝負!」のパターン。投資関連はあくまでも自己完結が鉄則ですよね。自分で用意した軍資金の範疇でやる。全ての判断は自分でやる。人の意見は聞かない。あくまでも情報は参考にする。
ということで、FX地獄を題材とした漫画ですが結構楽しめます。このパターンで株を題材にした漫画も描いて欲しいです。
カテゴリ : 書籍など
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