私が就職した三十数年前は、ガッツリ稼いでガッツリ使えば良いというイケイケドンドンの時代でしたので、お金に関する書籍の需要は皆無だったかもしれません。
年中忙しい会社でなければ、通常は2人でこなせる仕事だけど忙しい時は3人必要になっても、人員の補充などせず、残業対応、休日出勤対応で山を越えます。よって、基本給は非常に少なくても、忙しい期間はむちゃくちゃ給料が多いです。
初任給が非常に少なくても、終身雇用&年功序列が維持されていれば、定年を迎えるころには2倍から3倍くらいの基本給になります。定年退職する人数と新卒入社する人数が同じならば労務費の合計は変わりません。
ところが周辺企業よりも基本給が少ないと人が集まらないので、新卒の基本給をアップ。しかし、労務費を増やすわけにはいかないので、年配者の昇給を減らす。終身雇用&年功序列だからが通用しない世代の人たちが入社するころには、若い人の昇給額を増やさないとどんどん辞めていってしまう。だったら若い人の昇給額を劇的にアップさせる。その代わり四十半ばの一般社員の昇給を大幅に減らす。
終身雇用&年功序列が重要視されなくなると、能力主義&成果主義に給与制度を変更。結果的に50歳前後の一般社員の給与は新入社員の1.5倍に満たず、ある時点から昇給無し。役職社員にも天井が設置されたので、同じ役職で長くいると昇給ゼロ。私は数年前から昇給ゼロです。私より10歳年上の人たちは逃げ切った世代ですので、たぶん定年まで給料が増えていったと思います。
ということで、三十数年前なら「今は給料少ないけど、あとからたくさん貰えるようになる」でしたが、現在は「最初からたくさんくれ。あとのことは知らん」となっています。
世間で言われている「給料が増えない」の裏事情はそんなところです。さらに働き方改革で「休日数増やせ、残業させるな」を進めたことで、ほぼ基本給しか貰えません。私が入社した時の年間休日数は90日、基本給14万円弱です。現在は年間休日数115日、基本給22万円弱です。さらに現在は有休を全て消化できます。2010年より前は「有休なんか使うな!!」と怒られた時代です。
「最初からたくさんくれ。あとのことは知らん」という世代の身近の人たちを見ていると、あまり娯楽とか趣味などに金を使いません。子供のころから「老後のこと」を考える世代なのか、「とにかく貯蓄」という考え方を持っているようです。昔のように「いくらでも残業していいぞ」ではなく「基本的に残業ゼロだ」ですので、当然ながら収入を増やせません。よって支出を減らすしかないのです。
前置きがむちゃくちゃ長くなりましたが、株ゲームを始める前に買っておけよという立ち位置にある書籍というよりは、就職したらすぐに買って読むべき書籍です。
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めったにリアル本屋には行かないのですが、たまに行ってみると必ず目立つ場所に置かれているお金に関する本です。昨年の6月に出版された書籍ですが、お金に関する書籍に中で、たぶん一番売れている書籍だと思います。
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「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」をキーワードにして、現実味があり、すぐに役に立つ具体的な話も多いです。よくありがちな「とにかく使うな。貯めろ。投資しろ。」という話ではありません。
「生命保険」の話は十年前くらいに真実を知って愕然とさせられたことがあるので、「生命保険」の話は必見です。自分で真剣に勉強しようと思っているならFPを取った方が良いです。FPの知識は役に立ちます。
私の知識がなくて大損した「生命保険」の件ですが、入社してすぐに結婚したため、生命保険を勧誘されるまま契約しました。当時は定期預金の年利が5%もつく時代でしたので担当者の説明では「年間25万円支払っても20年後には500万円まるまる戻ってくる」でした。十年後あたりで契約内容の見直しの時期になったからと言われて手厚い保険に更新。実はこれが大きなワナだったとは気が付いていません。
さらに十数年後、それまで一度も連絡がなかった保険会社から「この地区の担当になりました」と連絡あり。
ちょうど良かったので「子供も独立して、運動でダイエットして健康体になったので、生命保険も最小限のものに変えたい」と伝えてシミュレーションしてもらうと…
なんと、「年間25万円支払っても20年後には500万円まるまる戻ってくる」は無かったことになっています。いわゆる「下取り」というワナにハマっていたのです。このまま契約していると毎年払っているのに数年後にはゼロ円になるところでした。解約すれば100万円戻ってくるらしいですが、そもそも契約内容を手薄くすることはできない仕組みになっていました。解約決定!! 「生命保険」ではなく定期預金代わりにそのまま預けておくと銀行より金利が良いので、100万円はそのままにしてあります。
さて、FP関連本にもよく書かれていますが、そもそも生命保険に入る必要はあるのか?
結論としては「入る必要はない」です。ただし、前提条件としてある程度の貯えが必要です。
日本の健康保険の「高額療養費(高額医療費支給制度)」があまりにも素晴らしいことを忘れてはダメです。収入が多くなければ、3か月入院しても30万円掛かりません。実費負担を考慮しても100万円の貯金があれば十分です。どうしても心配という場合は掛け捨ての県民共済などに入っておけば良いです。
「生命保険」と似たような事例として「車」に掛かる費用も取り上げられています。
就職して将来のために貯えようかなと考えるタイミングで知っておくべき事柄がたくさん掲載されているので、若い人ほど読む価値があります。親が就職した子供にプレゼントするのが一番いいかもしれません。
カテゴリ : 書籍など
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