投資関連本の出版ラッシュです。初心者向けの書籍ほど中身は似たようなものになるため、いかにタイトルで釣るのかという段階に入っています。
13歳からの億万長者入門 1万円を1億円にする「お金の教科書」
後書きにタイトルは釣りではないと書かれていますが、正直言って完全に釣りです。
「13歳からの~」は昔流行った「13歳のハローワーク」のちょいパクリです。
「13歳のハローワーク」が出版された時に私の娘も小学6年生だったので、買ってプレゼントしました。「なんとなく過ごしてなんとなく中学性になって、なんとなく学力にあった高校に行って、なんとなく進路を考える」というパターンに当てはまるものですが、13歳(中学1年あたり)から自分の将来を漠然と考えるための材料になるのが「13歳のハローワーク」です。私の時代に「13歳のハローワーク」があれば、少しは違う人生を送っていたかもしれません。しかし、うちの親は子供に本を買い与えるという習慣がなかったので、「13歳のハローワーク」みたいな本があっても存在そのものを知らずに過ぎていた可能性は高いです。
さて、「13歳からの億万長者入門」の「13歳」には根拠はありません。親が子供に話すような文章になっているため、投資をやっている親が自分で上手く説明できない場合に、この「13歳からの億万長者入門」を買い与えるのにちょうど良いです。序盤の内容は小学5年生とか6年生あたりが適しています。
そして「1万円を1億円にする」という大技など全く書かれていません。まずは「子供が1万円貯めるためには」の当たり前すぎる説明です。小遣いを貰ったらそれをどのように配分するのか考える。最優先は貯金で残りでやりくり。収入と支出の話は具体的で小さい子供でも分かりますが、気になった点は、「収入が少ない場合は増やせばいい」の方法です。「家の手伝いをして小遣いを要求しましょう」となっています。家の手伝いをするのは当たり前のことです。小遣いを貰わなければ手伝う必要は無いのでしょうか。
さて、次の段階は「いかに増やすのか」になります。そこが「投資」の話ですので、十分に稼げるような年齢になってからです。要するに小さい子が1万円貯めることも、働き始めて100万円とか1000万円貯めることもやることは同じということです。
「収入を増やして、支出を減らして、投資で増やす」
「支出を極限まで減らしましょう」というオチですので、楽しい人生を送れそうもありません。いろいろと我慢してきた人生を送って、50歳過ぎたあたりで「1億円貯まった。でも使うわけにはいかない」で楽しいのでしょうか。
それと不都合な真実も書かれています。馬鹿正直な本だなと感心したので、「この本を買って損した」という気持ちはなくなりました。
億万長者は、どうやってお金を手に入れているのか
起業家・ベストセラー著者・人材開発研修者のブライアン・トレーシーによると、
自力で億万長者になった人の99%が、次の4つの方法でお金を手に入れたという
・74%は起業家
・10%は大企業で出世した経営者
・10%は医師、弁護士、会計士といったプロフェッショナルの中でもすごく稼ぐ人
・5%は営業マンか営業コンサルタントで、すごく営業が得意な人
単純に稼ぐ人が億万長者になっているということです。
複利の話も書かれていますが、現実にはあり得ないシミュレーションです。この上昇カーブに意味があるのではなく、複利は単純に期間の話だからとにかく早めに始めるのが良いという説明です。これも当たり前すぎますが、子供向けの説明ならこのくらい大げさなシミュレーションが適しているのかもしれません。
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