乃木坂46の1期生、中田花奈さんの卒業後、第一弾の書籍!
9年間在籍した乃木坂46から卒業を決めた中田さんは「バフェット」から何を学んだのか?
グループ在籍中に行われた、日本大学教授の濱本明氏による特別講義の内容をぎゅっと凝縮。
投資未経験者にもわかりやすい実践的・本格的な投資法から、「自分自身が最高の投資先」という超一流のマネー哲学まで、生き方まで変わる「バフェットの投資術」をお届けします。
【目次】
●講義1 投資との出合い
●講義2 バフェットってどんな人?
●講義3 バフェットの投資理論(会計読解力による武装でAIに克つ)
●講義4 バフェット銘柄の探し方(永続的競争優位性を有する企業を見極める)
●講義5 再発見! 日本市場の魅力
「バフェットの投資術」を題材にした濱本明氏が先生役、中田花奈さんが生徒役の講義方式の書籍です。
バフェット氏がどのような人物であり、氏の投資スタイルがどのようなものなのかは、この書籍だけで十分に理解できます。
実際に自分で株ゲームをやってみると分かりますが、長期目的で株を始めるなら間違いなく若ければ若いほど有利です。この書籍も「若い人が将来のことを考えて投資をするならば」が大前提で書かれています。よって、長期的な視点で銘柄を選ぶ必要があり、そのためのノウハウが講義3と講義4です。しかしながら、「財務諸表」になじみがない人には難易度が高いので、ここで「やっぱり難しそうだからいいや」「初心者向けマネー誌で紹介されている銘柄を買っておけばいいか」となる可能性は高いです。
「財務諸表」をじっくり読み解くことに抵抗がない人にとっては当たり前すぎる内容ですので、今さら感があると思います。
そこで、「財務諸表」を見るのはイライラしてくるという人向けに、「最低限どこを見れば良いのか」「便利なツールにはどのようなものがあるのか」も書かれているので、途中で投げ出すのは我慢しましょう。
「いつ買うのか」は誰にも正解がないため、この書籍もお茶を濁しています。初心者向けマネー誌と同様に「長期的に見ればいつ買っても同じ」「できれば大きく下落した時に買えばいい」「全般的に株価が高まっている時はひたすら我慢」のようなことです。
講義4の内容に当てはめると、バフェット氏の銘柄探しの基準を満たす銘柄が日本株にはありません。それは日本企業の文化、風土によるもので、利益絶対主義の米企業と同等の判定基準に当てまめることができません。そこで講義5なのですが、正直言って講義5は完全なる蛇足だと感じられました。
分かったような分からないようなモヤモヤしたまま著者の締めの言葉になりますが、そこには生徒役の中田さんは登場しません。
そして、書籍タイトル『「バフェットの投資術」を学んだら、生き方まで変わった話。』の「生き方まで変わった話」って、どこがそうなのかさっぱり伝わってきません。
先生役が延々と話して、生徒役が相づちを打っているようなバランスではなく、生徒役が「これはこういうことなんですね」と読み手の代理人になるような構成なら、若い投資初心者向けの参考書になれたかもしれません。
よって、この書籍のターゲットって誰なんだろうと思いながら読み終え、講義3と講義4だけ抜粋した普通の解説本の方が良いような気がしました。
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