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2023年12月
バフェット解剖 世界一の投資家は長期投資ではなかった
(著)前田 昌孝
この書籍を読めばいわゆるバフェット本はあくまでも1990年代までのバフェット氏の解説だったと分かります。それ以降はどうなのを知りたい人は必読です。
ざっくりまとめると帯に書かれていることが全てです。
・一番儲けた株はアップル
・日本の5大商社株購入はコカ・コーラ並みの大型投資
・2013年から10年間はS&P500の成績に負けた
・平均保有期間は3.8年
・失敗だったハインツやIBMへの投資
・保有銘柄の3分の1は1年以内で手放す
・近年は資源株を意識?
・ベストの投資は中国の電気自動車メーカーBYD
1990年代まではバフェット氏の投資家人生の土台作りであって、それ以降は会社経営者です。「買って売らずに長期保有」ではありません。いかに利益を増やすのかに徹しています。
よくあるバフェット本をさらっと読んで「長期投資とは」を分かった気になっている人は要注意です。
87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え
藤本 茂 (著)
投資法はいろいろありますが「細かくコツコツ稼ぐ方針」は私も取り組んでいるため考え方の参考になります。
それから教科書的な本では触れてはいけない話題も忖度なしで語っています。やっぱりそうだったのかと妙に納得。
Part1 19歳で投資を始めて68年
藤本茂さんの生立をざっくりとまとめると…
高校卒業後にペットショップ勤務。そこで証券会社の人と知り合う。
ペットショップを独立開業。
都市開発絡みで土地を購入時の3倍の価格で売却。
雀荘経営、麻雀ブームで多店舗経営するが忙し過ぎて売却。
雀荘売却で得た資金で株式投資を始める。
Part2 80銘柄を月6億円トレード
さらっと「スキャルピング」「デイトレ」「スイング」「長期」の説明からシゲルさんのタイプは限定ではなく「デイトレ」を中心に場合場合で「長期」まで網羅。それはあくまでも結果であって主戦場は「デイトレ」。
何十年変わらず守っている一日の生活パターンはこの先も変わらない。毎日が真剣勝負。ボケ予防に最適。
Part3 投資歴68年 シゲル流「1:2:6」のルール
売買に関する手法は人それぞれですので、このパートはさらっと斜め読みで良いかも。
Part4 上がったら売る、下がったら買う
表題から内容は想像できますが一番参考になるパートです。
・株価を動かすのは「材料」ではない
・自分の勘と成功体験に頼らない
・上がるはず、でも買わない
・有名投資家の発言の裏には何かある
・ナンピンは怖くない
・機関投資家との戦いは負けない
・個人投資家だからこそ機関投資家に勝てるワケ
・「仕手株」にはご注意を
・IPOセカンダリーにも注目
・損をしてもクヨクヨしない
・日本株はもっと成長できる
Part5 デイトレードは究極の〝脳トレ〟
このパートは「なぜ続けているのか」のお話ですが、定年後でも「じっくりコツコツ稼ぐ」と思えば、無理にどこかで少ない給料で働くよりは“やりがい”を感じられるかもしれません。
2024年1月
月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資
(著)なのなの
昨年は高配当株投資本が大量に出版されましたが、12月末に大トリ本が出版されました。ざっくり言って“大トリ”に相応しい内容の書籍です。年末にぱらぱらと斜め読みして、正月休みにしっかり読みました。
投資関連本を100冊以上読んだので、どこかで見たことがある内容が多いのですが、本を殆ど読んでいない人ならこの1冊だけで全てを網羅できます。たくさん読んだ人にとっては必要な知識の“総集編”であり手元に置いておくのにちょうどよく、投資関連本を読まずに個別銘柄を買っている人には最低限必要な知識の“濃縮版”でありじっくり何度も読むのにふさわしいです。
高配当投資関連書籍ですが“お勧め銘柄”などは掲載されていません。“自分で考える”余地を残してあるため「難しい話は良いので結局何を買えば良いの」とはなりません。
2024年5月
JUST KEEP BUYING
自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則
ニック・マジューリ 著/児島 修 訳
正直言って、この書籍のターゲットが誰なのか購入前に分かるようにして欲しかったです。
私のように定年間際で長年の会社勤めでそれなりに貯蓄ができ、「年金の不足分を補うため」の手段として余剰資金を使って株式投資に取り組んでいる場合、この書籍から得るものが殆どありません。
この書籍の前半に書かれていることがらは、誰から言われなくても私は実際にやってきたことで、違いは「資産形成のフェーズで株式投資をしてきたのか」だけです。
会社員時代の序盤は収入が非常に少なく、その収入を増やすためにはどうしたら良いのか。ここは「職場環境」という運に左右されます。
運良く最初の上司は「自分の金と時間を使ってスキルアップさせ、されを仕事に活かして結果を出す」ことに関しては超高評価するタイプの人でした。さらに上司が分からないこと、できなことを部下がやれば、それも高評価でした。
よって、その上司が上司でいた期間はどんどん昇給していきました。上司が代われば環境も変わり「どうしたら昇給するのか」が全く持って不明になりました。
そのころにはそこそこ貯蓄ができるほどの収入になっていたので、昇給額が減ってもなんとかなりました。
前提条件として「生活レベルを上げない」があります。収入がめちゃくちゃ少ない時に結婚していたので、その少ない収入でやりくりするしかなく、妻もそれが当たり前でやってきました。
給与明細を見ても「給料少ないね」となるだけですので、収入がどれだけあるのか気にせず、私が毎月の生活費を決めて渡していました。収入が増えても減っても渡す生活費は定額です。給与明細を見せていたのは最初の1年間だけで、その後の三十数年間は給与がどれだけあるのか妻は無関心でした。
イレギュラーの出費は私の銀行口座から出ていくので、妻は毎月の生活費だけで苦労することはありません。
そんなこんなで子供が独立した後は飛躍的に預金(給与振り込み口座の残高)が増えていき、趣味に大金を使うことができることができ、その趣味にも飽きてくると、ますます残高が増え、それを株式投資の軍資金にできたわけです。
前振りが非常に長くなりましたが、この書籍のターゲットは就職してそれほど経っていない若い人です。特に収入が少ないため節約して投資している人には「ちょっと待って、それって正しいの?」と問いかける内容になっているため、若い人は早めに読んだ方が良いです。
後半の「投資力アップ篇」に関しては、大量に書籍を読んだ後だと、全てがどこかで読んだことがある内容ですので、新鮮味はゼロです。
米国人の書籍は米国の市場の過去のデータを分析しているため、必ずしも日本市場に当てはまるものではありません。そこを無視してこの書籍に書かれていることを100%信じてその通りに20年間、30年間実践した結果「こんなはずでは」となるかもしれません。
過去のデータを分析して「だからこうなんだ」と解説している書籍が大量にあります。それらはあくまでも米国の過去のデータを分析したものであることを忘れてはだめです。
2024年6月
一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本
川島 睦保 (著)
書籍タイトルにある「月5万円」がキーポイントです。年金を貰うようになっても「年金だけじゃ足りない」が現実です。足りない分だけ何かで補填すれば良いわけで、それが安月給で働くのか、それとも株式投資で配当金を貰うのかということです。
やみくもに配当金を増やすための株式投資など必要はなく、あくまでも足りない分の補填で良いと割り切れば、生活費を切り詰めての株式投資とか、チャレンジングな株式投資など必要ありません。年間60万円の配当収入で良いならば55歳から勉強を兼ねてのコツコツ投資、そして退職金を使って配当PFを完成させることは可能です。
「シニアが無理なく儲ける株投資の本」は著者が実際に取り組んできたことが書かれているため、「定年まで残り数年だけどどうしようかな」という人には役に立つ内容です。ただし、銘柄選びに関しては著者の主観ですので、そこは自分で勉強して、自分で納得できる銘柄を選ぶ必要があります。
フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資
(著)長期株式投資
3部作の完結編では銘柄選び=企業選びにおいて何が重要なのか解説しています。よくあるPBR,PER,ROE,EPSとか業績推移といった数字ではなく、定性的に企業を見てみましょうという切口です。
初心者にも優しい文章ですが正直言って内容そのものは難しいです。私も個々の銘柄を自分なりに考えて買っていますが、上手くいかない割合の方が高いです。完全に自分で選んだ銘柄は別枠扱いにして、主力は高配当50ETF構成銘柄+αにしています。
3部作でホップ、ステップ、ジャンプですが、いきなりジャンプなどできるわけありません。やはり、ホップである『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』から始めて、そこそこ上手くいくようになって「そろそろ自分で完全に企業を選びたい」と自信が持てるようになってから「ステップ」「ジャンプ」に進んだ方が良いと思います。いきなり『フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資』を買ってしまって「?????」となっても大丈夫です。その場合は巻末に17セクターごとに厳選銘柄が記載されています。17セクターそれぞれから1銘柄選んで、とりあえずS株などで1万円×17銘柄買っていけば良いです。