2021年8月25日

いつもの場所で「XF16-80mmF4 R OIS WR」と「ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を比較

「XF16-80mmF4 R OIS WR」は「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」に比べて写りが良いことは最初の試し撮りで実感しました。それでは出番が多い「E-M1 MarkIII + ED 12-100mm F4.0 IS PRO」と比べてどうなのか。

キャンペーンを除いたボディの価格(マップカメラ)
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III ¥162,800(税込)
FUJIFILM X-T4 ¥202,455(税込)

キャンペーンを除いたレンズの価格(マップカメラ)
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO ¥142,340(税込)
FUJIFILM フジノン XF16-80mm F4 R OIS WR ¥90,680(税込)

305,140円と293,135円ですので、価格面では大きな差はありません。ただし、下取りキャンペーンを使うと圧倒的に「X-T4 + XF16-80mm」が安くなります。とりあえず、機材のグレードとしては通常の販売価格で判断できるはずです。


コロナ禍で出かけることができないため、いつもの鞍ヶ池公園です。

絞りは全てf/4です。「X-T4」のフィルムシミュレーションはPROVIA/スタンダード、「E-M1 MarkII」のピクチャーモードはNaturalにしてあります。よって派手さは控えめです。


まずはワイド端の換算24mmです。なぜか「X-T4」は全般的に露出が低めになるようで、暗い感じの写りになっています。デフォルトでどのように写るのか気になるので、全ての撮影で露出補正は両機ともしていません。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

一発目から「12-100mm F4.0」の勝ちです。


次にテレ端の換算120mmです。(「E-M1 MarkIII」は換算114mmになっています)


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

「X-T4」は6240×4160、「E-M1 MarkIII」は5184×3888ですので、単純に中央部分をピクセル等倍で切り出すと、「X-T4」が不利ですね。そこを考慮しても「12-100mm F4.0」の勝ちです。「X-T4 + XF16-80mm」は遠景が苦手なのかもしれません。

それでは近接撮影ならどうでしょうか。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

「12-100mm F4.0」はワイド端なら寄れますが、テレ側にズームしていくと接近撮影ができなくなり、「XF16-80mm」と同じくらいになります。


X-T4 + XF16-80mm ピクセル等倍切り出し


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0 ピクセル等倍切り出し

「XF16-80mm」も必要十分なキレがありますが、「12-100mm F4.0」はそれ以上にハッキリクッキリです。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

ピクセル等倍での比較ではなくパッと見の印象はどうか。ここでも「12-100mm F4.0」の勝ちです。この辺りでこれ以上の比較に意味があるんだろうかと思えてきていますが、「X-T20 + XF18-55mmF2.8-4」よりも圧倒的に良いはずだからどこかで逆転するかもしれないと僅かな望みを持って続行。


再び遠景の撮影ですが、日陰にいる白い馬を狙います。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

ここでも「X-T4」だと暗く写るため判定不可能です。


テレ端の遠景の撮影です。(「E-M1 MarkIII」は換算114mmになっています)


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

単純なハッキリクッキリなら「12-100mm F4.0」ですが、白い馬の濃淡の描写はセンサーの差が出て「X-T4 + XF16-80mm」の勝ちです。


すぐ目の前にいる白い馬を標準域で撮ります。(ここは「X-T4」は換算51mm「E-M1 MarkIII」は換算50mmです)


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

1m~2m程度の距離の被写体なら「X-T4 + XF16-80mm」でも結構いけますね。


再びワイド端の遠景です。ここはハッキリクッキリ目的ではなく色味の確認です。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

パッと見でどちらが綺麗に見えるのかなら「X-T4 + XF16-80mm」です。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

ここでも「X-T4」は暗くなります。電子接点がない中華レンズなら仕方ないとは思いますが、純正のレンズでこれだと困ります。


今日は見物客が殆どいないので近くにいるのかと思ったら、ワラビーは一番遠くで寝ていました。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

ダメすぎた「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」に比べて「XF16-80mmF4 R OIS WR」は結構いけることが分かります。


最後にもう一度すぐ近くにいるヤギを撮ってみます。


X-T4 + XF16-80mm


E-M1 MarkIII + 12-100mm F4.0

日陰にいるヤギだとセンサーサイズに起因する差があまりでません。

まとめ

「X-T4 + XF16-80mm」には遠景の描写の甘さが目立ちますが、数メートル以内の被写体なら結構しっかり写ります。パッと見の綺麗さは、さすがフジカラーマジックという印象を受けるため、JPEG撮ってだしで大きくトリミングなどもしないなら、「X-T4 + XF16-80mm」が良いのかもしれません。ただし、露出補正が必須という点はなんとかならないものでしょうか。