2019年10月29日

標準ズーム対決「TAMRON 28-75mm vs OLYMPUS 12-40mm PRO」

軽さを求めてα7IIIの標準ズームレンズを「TAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD」から「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」にチェンジさせましたが、肝心の写り次第では「無かったことにしよう」になります。

少しだけ不満があった「E18-135mm F3.5-5.6 OSS」でも何かと比較しなければ必要十分な性能をもっていますが、マイクロフォーサーズのレンズをあれこれ買ってしまった後だけにどうしても比較してしまいます。

今のところお気に入りのレンズのTOP1は「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」です。軽い、小さい、写りが良い、見た目が良い、マニュアルフォーカスクラッチ機構が便利、防塵防滴 etc

旅行やスナップ用途なら「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」だけで十分満足するはずですが、これだけで満足できないのが“趣味”ゆえです。

レンズは価格と写りが比例するため、αの“G MASTER”を投入すればフルサイズ機の実力発揮となるのは間違いありませんが、重すぎて持ち出すことが確実になくなります。

私に必要なのは自転車旅や歩き旅で使える機材です。

というわけで、フルサイズ機用のレンズの割には軽めなのにF2.8通しの「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」が使えるのではないかというわけです。

さっそく「α7III + 28-75mm」と「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」の写りを比較します。

私は「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」をばらで買ったため割高になりましたが、今ならセットで11万円程度で購入可能です。「α7III + 28-75mm」は30万円近くするので、フルサイズ機の圧倒的な勝利になってもらわなければ困るのですが…


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/3200秒,ISO100,28mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/2000秒,ISO100,14mm(換算28mm)

フルサイズ機なら28mmでもf/2.8でかなりボケます。α7IIIは黄色に引っ張られたのか少し暗めになっています。さらに青空が汚いです。


「α7III + 28-75mm」
f/5.6,1/160秒,ISO100,-0.3補正,50mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/500秒,ISO100,-0.3補正,25mm(換算50mm)

マイクロフォーサーズの焦点距離25mmのf2.8は換算だと50mmのf5.6になるため、α7III側をf5.6にしてみました。ここも「12-40mm PRO」のキレの良さを感じます。


「α7III + 28-75mm」
f/5.6,1/160秒,ISO100,-0.3補正,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/320秒,ISO100,-0.3補正,40mm(換算80mm)

α7IIIは暖色系になる傾向があります。


「α7III + 28-75mm」
f/8,1/400秒,ISO100,28mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/4,1/1250秒,ISO100,12mm(換算24mm)

α7IIIの青空は“JPEG撮って出し”には厳しいかもしれません。


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/640秒,ISO100,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/4,1/400秒,ISO100,40mm(換算80mm)


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/800秒,ISO100,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/800秒,ISO100,40mm(換算80mm)


「α7III + 28-75mm」
等倍切り出し


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
等倍切り出し

近接撮影なら「28-75mm」も切れがありますが、ボケは「12-40mm PRO」が自然です。


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/1250秒,ISO100,28mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/1250秒,ISO100,12mm(換算24mm)

広角側で絞り開放は意外にも厳しい条件です。「E18-135mm F3.5-5.6 OSS」は全くダメでしたが、さて「TAMRON 28-75mm」はどうでしょうか。


「α7III + 28-75mm」
中心部分を等倍切り出し


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
中心部分を等倍切り出し

色味は別として「TAMRON 28-75mm」もクッキリ写ります。


「α7III + 28-75mm」
右端部分を等倍切り出し


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
右端部分を等倍切り出し

両者とも十分な写りをしています。


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/500秒,ISO100,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/250秒,ISO100,40mm(換算80mm)

ここもα7IIIは黄色に引っ張られたのか少し暗めになっています。そのためかここでは緑が良い感じになっています。


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/6400秒,ISO100,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/6400秒,ISO100,40mm(換算80mm)

ここでは「E-M5 MarkII」のAFはシベにピントが合いません。MFで合わせました。α7IIIは一発でAFで決まります。その代わり空がグレーぽくなっているのが残念です。朝陽でも夕陽でもない状態の太陽を写し取る「28-75mm」は逆光に強いといえます。


「α7III + 28-75mm」
f/2.8,1/200秒,ISO100,75mm


「E-M5 MarkII + 12-40mm PRO」
f/2.8,1/200秒,ISO100,40mm(換算80mm)

最後に「フルサイズ機ならボカすの簡単」という事例です。

α7IIIは全般的に暖色系に転ぶ傾向にあるため、色味が気になるならRAW現像で工夫するしかありません。

撮影中は「あれ?このレンズはダメかもしれない」と妙な感じがあった「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」ですが、PCで見れば、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」に勝つほどではないけど、大差で負けることはなく健闘はしているレベルにあります。

「TAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD」と「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD」を比べてどうかなら、前者の圧勝です。手振れ補正を無くしてEマウント版の「35-150mm」を作って欲しいです。

10月30日 追記.

色味がおかしい件を調べてみたところ「WBの微調整」で自分好みにチューニングできることが分かりました。

「WB AUTO」で「微調整」の効果を少しばかりテストします。


他に引っ張られる要因が少ないのか、微調整無しでもそれほど変な感じにはなっていません。


レタッチで雲をカラーバランス補正してみました。本来ならこれが正しいはずですが、面白みに欠ける色味になっています。

以下、「B」からぐるっと時計回りに微調整した結果です。

青空を強調させたいなら「B」側に補正すれば良いのですが、意外にも「赤みが嫌」と思えるマゼンタ「M」側を「B」とセットで補正すると印象的な色味になります。

ただし、ここをいじってもオリンパスブルーには近づけないので、他に何か要因があるのかもしれません。


参考までにiPhone7で普通に撮ったものです。

10月31日 追記.

オリンパスブルーと比較してみます。

・OM-D E-M5 Mark II
・LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.

RAW現像でオリンパスブルーを強調

露出補正:-0.3
仕上がり:Vivid
かすみ除去:50
色味を変えることなく鮮やかな青空になります。αでこれを出すにはどうすれば良いのでしょうか。