今まで数多くのコンデジを使ってみたが、ようやく“カメラ”として使い物になる「PowerShot G7」(以下G7)が昨年登場した。真剣撮りではなく日常のスナップやイベントなどで使う限りは十分に使え、写りもかなり良い。「G7」で“デジカメ遊びコンデジ編”は完了させたつもりであったが…
サーキットやイベントにデジタル一眼を持っていく場合は、動画用に「LUMIX DMC-TZ1」(以下TZ1)を持っていくことが多い。「LUMIX DMC-TZ3」が発売された時に「TZ1」とチェンジさせることを検討したが、「動画撮影中のズームとAF」の問題があり、「TZ1」は結構貴重な存在である。「G7」の最大の欠点は「動画機能」であり、そのために活躍の場が減っていたことは事実。
一般的な記念写真ならば「G7」で十分であり、「G7」を今後も使い続けるつもりだった。今年の8月末まではそう思っていた。
「どまつり」を「TZ1」で動画撮影した時に、メモリカードの容量不足で思うように撮れなかったため、「モトクロス」の撮影に備えて4GのSDHCを購入した。しかし、なんということか「TZ1」はSDHCに対応していないではないか。しかたなく、モトクロスでは「G7」を使ったが、ここで新たな問題が発覚。“「音」を上手く拾ってくれない”のである。サーキットや屋内イベントのステージならば音量が大きいためか、それなりに拾ってくれていたため気が付かなかった。収音に関しては「TZ1」の方が圧倒的に良い。
「録画中にズームできない、AFが効かない、収音に難あり」となってはG7の動画機能は殆ど使い物にならない。もともと「写真」を撮るためのカメラであるため仕方が無いと割り切れるのかといえば、購入して9ヶ月間のうち「写真撮影」を目的として「G7」を持ち出した回数は非常に少ない。このままでは「CONTAX Tvs DIGITAL」と同じ運命を辿りそうな予感がしたため、“価値”があるうちに売却することを決めた。ところがところが、なんということか「G9」の発売間際ということで下取り価格は大暴落中であった。
「(TZ1+G7) / 2」になりそうなデジカメを物色してみたが、実際のところ「G7」程度の写りをしてくれて、その上「動画」も結構使えるという機種は存在しない。まあ、過去にコンデジに写りを求めて買ってみたが、結局それほど使わないというパターンが多かったため、今回は「動画機能」を最優先とした。しかし、あくまでもカメラが欲しいわけで「動画カメラ」が欲しいわけではない。
というわけで、今回の“デジカメ遊び”のターゲットは「PowerShot S5IS」である。
ネット通販ショップだと37000円弱になっていたり、東京の大手ショップならば実質40000円というのが相場になっている。いつものキタムラの店頭価格もそうかと思っていたのだが、地方価格になっているのか少しばかり価格が高い。たまたまいつもの店員さんが居たので価格交渉(骨董品カメラを無理やり下取りに出す)して40000円にしてもらった。そして「G7」の下取り価格の査定をしてもらったら、なんということか一週間前よりも6000円もダウンの20000円。例のカメラケースについた査定価格は1000円。もう唖然・呆然状態である。約57000円で購入したカメラで状態も非常に良いのに21000円ですか…。ここでもゴネて22000円で引き取ってもらうことにして追い金は「18000円」。(もしかしたら「S5IS」の価格交渉をする前に下取り査定してもらうべきだったか)
「TZ1」の替わりに「S5IS」をサーキットやイベントでの「動画撮影」をメインとして使うため、今後の使用期間は結構長そうな予感がしたため「キタムラ5年保障」はつけておいた。(2年間は使うつもり)
初代「S1IS」に比べて「S5IS」がどのくらい進化しているのか検証するのも楽しいが、「S5IS」に期待しているのは動画機能である。とはいえ、動画機能の検証をする舞台はまだ当分先になるため、まずはいつものデンパークで試写してみた。
せっかくの3連休であるが、天候が不安定なため、晴れ間が見えるうちに「ヒマワリ」を撮影。(明日はこの向日葵畑で撮影会が開催されるのだが)
向日葵には青空が良く似合う。
スーパーマクロでミツバチを激写。コンデジの割には良い感じに撮れた。
そろそろ秋の気配。
ここからはデンパークで撮影
小さい花も綺麗に撮れる。
手振れ補正の恩恵で屋内撮影も大丈夫。
赤色も綺麗。
初代に比べたらEVFも多少は使えるようになった。
スーパーマクロにするとAFは中央に限定されてしまうため、マクロでは誤魔化しが効かない「コサイン誤差」を考慮する必要あり。
レンズ前面“0cm”まで接写可能。レンズに張り付いたシベにもピントが合っていた(この次のカットで)。
あくまでも今日の試写の範疇においては、「花」や「昆虫」の撮影に関しては十分に合格点を与えられる。
Sシリーズというものは写りがどうこうというよりも、楽しく撮れるのかどうかが問題。
今日のお気に入りはスーパーマクロである。「ワイド端固定&AF中央固定」という制約があるが、レンズ前面“0cm”の世界は撮っていて楽しくなる。(レンズ前面に汚れが付きにくいコーティングをして欲しいが)