2003年2月8日

ブランドを使う意義

もうすぐ“注目すべき”機種が発売されます。

「μ-10 DIGITAL(ミュー テン デジタル)」2003年 2月下旬から発売
http://www.olympus.co.jp/LineUp/Digicamera/M/Mju10d/mju10d.html

CONTAXブランド初のコンパクトデジタルカメラ「CONTAX Tvs DIGITAL」2月20日より発売
http://www.kyocera.co.jp/news/2003/0201.html

「なーんだ、またデジカメの新製品か」と大抵の人は思うかもしれないが、実はそうじゃないと私は思う。

今まで発売されてきた製品は「メーカーがデジカメを作り、デジカメとして販売して、ユーザーもデジカメとして買い、そしてデジカメとして使う」というものである。

デジカメなんだから当たり前ジャン。

と思うのは当然なのだが、この2機種の登場によってメーカーが「デジカメ」として販売するのではなく「カメラ」として売っていきたいと考えているのでは思えるのである。

オリンパスの「μ」ブランド、京セラの「CONTAX」ブランドを使うということは、まさに「これはカメラなんだ」というメーカーの意思表示であろう。そしてそれらを冠するならば「カメラ」としてユーザーに提供する必要がある。「デジカメなんだから」という妥協は許されないはずである。今までのデジカメは安い物でも高い物でも必ず「デジカメなんだから、しょうがないよね」という妥協が必ずあった。

カメラを所有していない人が始めて買った製品が「デジカメ」なら「こんなものだよね」または何も不満に思わないかもしれない。フィルムカメラを使っていた人が買い換えとして「デジカメ」を選択して「ランニングコストが安いんだから、不満はあるがこれでも良いジャン」または全く気にしない。新しい物好きな人がデジカメの進化を体験するために次々と新しい製品を買って「今度の製品は良いなあ。でもまだここがダメだな」と出来の悪い子供を可愛がるようにデジカメと戯れているかもしれない。

しかし、デジカメもそろそろ熟成期に入っているハズなのだから「デジカメだから」という“メーカー側の言い訳”、“ユーザー側の諦め”はそろそろ無くす必要がある。

そのタイミングで「μ」と「CONTAX」が登場した意義というものは非常に大きいと私は思う。

価格帯も対象者も全く違う両機種だが、この機種が「カメラ」として認知されるのかどうかがデジカメの運命を握っているように感じられる。

ところで、「CONTAXブランドの製品が実売10万円をきって発売」という噂があったが、実際に実売10万円前後で発売されるとなると「やっぱり高いな~」と思ってしまう。「デジカメだから高いんだよ」じゃなくて、「CONTAX」ってもともと高いんです。素人が使うような製品ではなく、プロとかセミプロが「ちょい撮り」目的で使う製品ですから、それだけの実力を持っている製品だとは思うのですが、やはり庶民感覚からすると「コンパクトカメラが10万円もするのか」というのが正直な感想。

ちなみに「CONTAX Tvs DIGITAL」のページにこんなデータシートが載っていました。
主なCONTAXコンパクトカメラの変遷(カラーバリエーション除く)
商品名 発売年月 価格※ 種類 搭載のCarl Zeiss T*レンズ
CONTAX T 1984年2月 \99,000 35mm Sonnar T* 38mm F2.8
CONTAX T2 1990年12月 \120,000 35mm Sonnar T* 38mm F2.8
CONTAX TVS 1993年9月 \170,000 35mm Vario Sonnar T* 28-56mm F3.5-6.5
CONTAX Tix 1997年10月 \120,000 APS Sonnar T* 28mm F2.8
CONTAX TVSⅡ 1997年12月 \150,000 35mm Vario Sonnar T* 28-56mm F3.5-6.5
CONTAX TVSⅢ 1999年9月 \160,000 35mm Vario Sonnar T* 30-60mm F3.7-6.7
CONTAX T3 2001年3月 \98,000 35mm Sonnar T* 35mm F2.8
CONTAX Tvs DIGITAL(新商品) 2003年2月 \128,000 デジタル Vario Sonnar T* 7.3-21.9mm F2.8-4.8
これを載せておくことで「『デジカメだから高い』という訳じゃないんだよ」とアピールしたいのだろうか。

一刻も早く、雑誌やネットでインプレッションをやってくれないかな。わくわくします。
もしも「さすがCONTAX、実力は本物」なんていう記事が掲載されたら、やっぱり「CONTAX Tvs DIGITAL」が欲しくなっちゃうのだろうな。